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「通いたくなるミュージアム」特集 編集後記:中部高地の縄文はグルーヴィーでファンキーだった

2022年7月15日発売 No.966「通いたくなるミュージアム」を担当した編集者がしたためる編集後記。

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今回の特集、ページをめくっていくと突然アップの縄文土器が写されたページが目に飛び込んでくるはず。

これは水煙文土器と呼ばれる、縄文中期ごろに作られた土器。その異様なまでの迫力と見事な立体造形、まさか5000年前の人間が作っていたとは…!

担当した「5000年前のデザインの謎に迫る。縄文はファンキーだ!」では、縄文好きのグラフィックデザイナー・佐藤卓さんと共に山梨・長野の縄文博物館へ。

ここ数年、東北の縄文遺跡群が世界遺産に認定されたり、大型の博物館で企画展が開催されたりと、世は空前の縄文ブーム。しかし縄文時代は一様ではなく、時代、地域によって多種多様な文化が存在していた時代なんです。

なかでも山梨・長野は縄文中期、黒曜石の一大産地として日本の全人口の約4分の1が集まっていたという中心地。

デザイン盛り盛りの土器や土偶の出土数も多く、小規模だけれど魅力的な博物館がたくさんあります。小さな館だからこそ、学芸員の熱量や創意工夫がダイレクトに伝わってくる展示ばかり。学芸員の方々も物凄い熱量で解説してくださり、ついつい取材ということを忘れて前のめりで耳を傾けてしまう取材でした。

その結果、見事に縄文沼に……いつか縄文特集やりたい!

「通いたくなるミュージアム」特集 編集後記:中部高地の縄文はグルーヴィーでファンキーだった
今回の旅で見つけた推し土器。山梨県の釈迦堂遺跡博物館収蔵の水煙文土器。うねりにうねった立体造形と無地のコントラストが最高です。

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