『BRUTUS』って、実は、かつてはよくワイン特集をやっていた雑誌なんです。(昔から読んでいたよ、という方はご存知かも)。90年代終わり頃のワインブームの時代では、名だたるフレンチのソムリエがたくさん登場して、きらびやかに銘醸ワインを紹介していました。
一方で、実は「自然派ワイン」にはずっと注目してきました。最初は2004年の特集「ワインブーム復活宣言」。フランスのボージョレへ “自然派ワインの父” マルセル・ラピエールを訪ねて、巻頭で紹介しています。
こういうワインが居酒屋や中華などで気楽に飲めるように、という特集「いつでもどこでもワイン好き」(2005年)。RMシャンパンと自然派を軸にした「ワインの教科書」(2006年)と続き、特集「おいしい酒場」(2011年)では、とうとう自然派ワインのボトルが表紙になりました。
そんな『BRUTUS』で、久々のワイン特集です。18年前の「自然派ワイン」から「ナチュラルワイン」に、呼び名は変わりましたが本質は同じ。やっぱりワインは人です。多くの証言者に会ってきました。その声に、耳を傾けてみてください。
渡辺泰介(本誌担当編集)