Read

Read

読む

「なにしろあんこ好きなもので。」特集 編集後記:あんこの話をしよう。

2022年1月11日発売 No.954「なにしろあんこ好きなもので。」を担当した編集者がしたためる編集後記。

Photo: 福森公博

連載一覧へ

ちょうど一年前にカスタード特集を担当したからか、事あるごとにあんことカスタードを比べて、やっぱり違うなと気づいたり(至極当然ですが)、あんこもまた語ることの多いお菓子だと感じていました。

まず何より、驚くほど長い歴史をもつお店が現存していること。今号には、創業670年を超える和菓子店〈塩瀬総本舗〉も登場します。数百年前に宮廷で愛された饅頭を、今も同じように食べられると思うと興奮しませんか? (くわしくは「饅頭はじめて物語」をご覧ください)。

そんなあんこ菓子は、宮城にいけば「ずんだ」に変わり、愛知に行けば八丁味噌と交わります。日本全国、地域ごとの風土、食文化に応じて発展していて、誰しもに「コレよく食べた」というあんこ菓子があるはずで。編集部ではこれをソウルフードもとい、“ソウルあんこ”と呼んで、全国のスタッフさんと47都道府県で探しました。取り寄せられる、全国の地元代表あんこガイドはBook in Bookにまとまっています。

高島屋 和菓子バイヤーの畑主税さんは、個人的にもっとも幅広く和菓子を食べられている方だと思うのですが、「都心を離れてもどんどん数がでてくるのは、和菓子店ならではの特徴。まだまだ知らないお店がある」と仰っていました。「地元代表」を見て、共感する人もいれば、「いやいやこっちだろう」と思う人もいるはずです。

ぜひこの本をきっかけに、まだ見ぬあんこと出会ってください。そして家族、友人とあんこの話をしてみてください。これが結構盛り上がるんです。

木戸智士(本誌担当編集)

連載一覧へ