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「珍奇昆虫」特集 編集後記:冬です。昆虫標本の季節です。

2021年12月1日発売 No.952「珍奇昆虫」を担当した編集者がしたためる編集後記。

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コロンとした丸い胴体に、まるで恐竜のような厳つい角。カブトムシを寸詰まりにしたような、なんともアンバランスで珍妙な姿したエンシフェルオオニジダイコク。今回、表紙を飾っているこの昆虫は、自分が虫に興味を惹かれることになったきっかけであり、「珍奇昆虫」というテーマの企画を考える際に、真っ先に頭に浮かんだ虫でもあります。

ニジダイコクコガネの仲間は比較的小さく2cm程度のものが多いのに、5cmを超えるサイズ感。そして、妖しげなブルーメタリックの質感。震えましたね、初めて見たときは。まだこんな好奇心をゴンゴンと激しく揺さぶってくる生き物がいたのか、と。そんな、まだ見ぬ摩訶不思議な生き物たちの世界を探検していく「珍奇シリーズ」の昆虫編です。

すっかり寒くなり、昆虫の活動期的にはオフシーズン真っ只中ですが、室内でゆっくり過ごすことが多くなる冬こそ楽しみたい「昆虫標本の世界」にフォーカスした特集になっています。

例えば、さきほどのエンシフェルオオニジダイコクのような、少しマニアックな昆虫になると、標本として整えられていないまま売られていることも多く、好みのスタイルに脚をひろげていく「展足」という作業が必要だったり、意外とその楽しみ方は知られていません。

空気の乾燥している冬こそ、標本を仕立てるベストシーズンだったりもします。そんな標本製作法もみっちり紹介してますので、気になる昆虫標本を探し求め、大航海時代気分で「驚異の部屋」ならぬ「驚異の標本箱」を、ぜひ作ってみてください。

ちなみに、エンシフェルオオニジダイコクは、いわゆるフンコロガシの仲間。糞や腐肉を食べる虫。そんなうんこを食べる虫の仲間がBRUTUSの表紙になる日がくるとは、なんとも滋味深いなぁ。

川端正吾(本誌担当編集)

ブルータス_No.952_珍奇昆虫_fromeditors

ちなみに、本誌には間に合わなかったけど、このエンシフェルオオニジダイコクのフィギュアを販売するという、なんともマニアックな企画もあるそうで。また、詳細は追ってお伝えしたいと思います!

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