今年の8月16日、あるドキュメンタリーの予告編がYoutubeに公開されました。サムネイルは獣神サンダー・ライガーのマスクを被った、謎の人物。こちら、車を追っかけてでもコメントを取ろうとするマスコミに対して、ライガーのマスクをかぶって対応する電気グルーヴの石野卓球さんを映画監督の大根仁さんが撮ったもの。そう、2015年に公開された「DENKI GROOVE THE MOVIE? -石野卓球とピエール瀧」の続編といえる「DENKI GROOVE THE MOVIE 2 ? OFFICIAL TRAILER」だったのです。
「新幹線大爆破」のような一発勝負のスリルと、「男たちの挽歌」よろしく、漢の結束を追体験できる映像は、爆笑のち感涙必至(詳しくは本誌のP18を)。そう考えると、NetflixやHulu、Amazon Prime Videoなど配信サービスが普及したこの数年間で新旧のドキュメンタリーの名作がどんどん配信されるようになり、気がつけばマイリストがドキュメンタリーでいっぱい。そう、ドキュメンタリーの世界はただいま沸騰中、ポップカルチャーど真ん中なのではないか、と。
ということで、毎年秋の恒例、BRUTUSの映画特集、今年は「ドキュメンタリー」に絞ってみました。30人近くの方に取材したのですが、みなさん、話が面白くて、そして熱い! ドキュメンタリーって人に語りたくなる、薦めたくなる力があるのかも。特集は完成しましたが、まだまだこの沼から逃れられない気が…。
斉藤和義(本誌担当編集)