「『虚空門GATE』がすごい」。チーム・ドキュメンタリー特集が動き出してすぐ、ライターさんから1本の映画をおすすめされました。あやしげなタイトルに惹かれてあらすじを調べてみると、
「月面異星人遺体動画に触発された監督の小路谷は、UFO研究家にその真偽を問うが、フェイクとの意見が多かった。 小路谷はそれをきっかけとして様々なUFO遭遇体験者に取材を重ねた。 ある日、UFOを呼べるという男、庄司哲郎が現れ、一緒にUFO撮影を試みた。 すると実際にUFOは現れ、彼はスマホで写して見せた。 しかし、小路谷には写せなかった。数ヵ月後、小路谷はあらためてUFO撮影を試みるが、肝心の庄司は来ない、 所在不明となってしまった。」(公式HPより)……。
面白そう!とさっそく視聴。そして「これはすごいものを見たぞ」と興奮。かくして、「オカルトとドキュメンタリー」というテーマでページを作ることになったのでした。
ナビゲーターとしてインタビューに答えてくれたオカルト研究家の吉田悠軌さんいわく、「オカルトと映像、その相性は最悪」。そもそもオカルトは”物理現象の外にあるもの”なので、カメラでとらえることはできないのです。ですが、だからこそ、「『映すことができない=必ず失敗する』試みに挑戦する、ドン・キホーテ的な面白さがある」と、吉田さんは語ってくれました。
世の中にはさまざまな優れたドキュメンタリー作品があります。社会の情勢やセレブリティの秘めた心、知られざる動植物の生態が「わかる」体験はもちろん素晴らしいですが、むきだしの圧倒的な「よくわからなさ」にガツンと殴られるという体験も、なかなか面白いものです。
鴨志田早紀(本誌担当編集)