いきなり個人的な話だが、BRUTUS.jpを担当することにした。
はて、プリントメディアは何をすべきか。これまで以上に“存在意義”みたいなものを意識してしまう毎日。広くネットの世界を見渡すと、まとめサイトやリフト記事など、二次情報や情報源が曖昧な記事がとにかく多い。
そこで、考えた。
ECの時代だからこそ、47都道府県の店を私たちの目でつぶさに見てまわろうと。そして、1つの都道府県につき紹介する店は主観で選んだ1軒だけに絞り込む。紙でしかできない、渾身の47都道府県47軒、セレクトショップ取材企画をやろうと。
この企画、ふざけているようで実は大マジメ。コロナ禍において売り上げが落ちていない洋服屋さんはどこか、を調べるところから始めた。ざっくり言うと、ラグジュアリーブランドと一部のファストファッション、そして太い顧客を持っている地方の個人経営セレクトショップは比較的堅調だった。
百貨店や中堅どころが軒並み厳しい状況で、なぜか。その答えはこの1冊を読めば分かる。これからの時代は「これが面白いんだよ!」と周りを巻き込む勢いを持った人に、共感が集まるのだと思う。47軒の店(人)との出会いは、今後のメディアのあり方にも確信を持たせてくれました。
鮎川隆史(本誌担当編集)