腕から外した時、時計は持ち主を語りだすのかもしれません
特集の準備段階、何気なく過去の特集を眺めていると、あるページに目が止まった。
そこには珍しいケースに時計が収められている写真が一枚。
面白いかも、と思った。
どの時計をどのように着けるのか、これはもちろんのことだが、腕から外した時の置き方や収納にも持ち主のスタイルが現れるのかもしれない。
ある人は几帳面に時計専用のボックスに並べているかもしれない。
だが時計ボックスといえど千差万別、あらゆる選択肢がある。
ある人は毎日つけるアクセサリーと一緒にトレーに置いているかもしれない。
トレーだって選択肢に際限はないし、考え方次第ではなんでもトレーになる。
ある人は適当にバッグに詰め込んでいるだけかもしれない。
それも立派なスタイルだ。詰め込み方にも哲学がある。
「時計は持ち主を語る、だから、あの人の時計が気になる」
これは1996年の時計特集のタイトル。
腕から離れた時計たちも、ライフスタイルに溶け込み持ち主のことを雄弁に語りだす。
何年経ってもBRUTUSの“持ち主”への興味は尽きない。
