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「釣りの入口。」編集後記:釣り糸を垂らす意味

2025年9月1日発売 No.1038「釣りの入口。」を担当した編集者がしたためる編集後記。

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釣り糸を垂らす意味

釣り糸は端っこが釣り竿にくくられていて、反対側の端っこが水に沈んでいることが多いです。ここはだいたい共通。違いがでるのは竿や系などの釣り具、釣りをする環境、竿を握る前と後の時間、そして、なにを目的に垂らすのかということ。この違いが実に多様で、一人一人の個性や人生観がにじみ出て、釣りのおもしろさ・奥深さに取材中何度もうなりました。

釣りの目的については例えばこんな感じです。

・魚の綺麗さ、これに尽きる
・自分で釣った魚の格別な旨さ
・次々と新しい釣りを体験する開拓の面白さ
・魚に遊んでもらう幸福さ
・釣りのスタイルの追求
・自然と対話するためのツール
・ぼーっとしたいから

これはほんの一部。本誌ではもっとたくさんの人のこだわりや、釣りの楽しみ方を散りばめました。ぜひ隅々までチェックしてみてください。

ちなみに、目的は一人にひとつとは限りません。だからこそこだわり甲斐があって、人を夢中にさせてくれるのかもしれないです。

私も今回の特集をきっかけに釣りを始めたひよっこアングラーです。目的は?と聞かれたら、ひとつ挙げるなら新しいことを始めることの尊さ、でしょうか……。30代に突入して久しく、同じことの繰り返しの日々に、普段使っていない筋肉を使って、普段見ていない景色を見て、普段出会わない人と出会えたのは楽しかったです。例えるなら、高速道路にあるサービスエリアみたいな?

この特集をきっかけに入り口から先へ進み、釣りの楽しさに触れる方がいたら嬉しいです。

海釣りの撮影時の一枚。初めて行く海。

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