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「沁みる映画。」編集後記:沁みる映画体験

2024年11月15日発売 No.1020「沁みる映画。」を担当した編集者がしたためる編集後記。

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沁みる映画体験

“沁みる”ってどんな感情なんでしょう。今回特集でいろんな方の映画体験に触れる機会がありましたが、「あなたにとって“沁みる”とは?」の答えは本当にさまざまでした。

「私が映画を観て沁みた時の話。」という企画で、永野さん、林士平さん、川辺素さん、valkneeさんら12名の方に、心に沁みた映画の話を伺いました。いつ、どんなふうにその一本に出会ったのか、作品を観てどんな感情になったのか、どうして自分の心に沁みたのか。

そこには共感、憧れ、愛、ノスタルジア、哀愁、畏怖などいろんな形があり、「沁みるとは何か」「なぜ心に沁みたのか」、皆さん答えを探すように、深く考えながら語ってくれたのが印象的でした。

いい映画を観たあとは心がグラデーション状に渦巻くし、ひと口では言えない心のざわめき方がある。そういう時間に浸り、物語を咀嚼しながら自分を顧みる時間が「沁みる映画体験」なのかもと、皆さんの話を振り返りながら考えています。

本企画で『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』について語ってくださった写真家の大森克己さん。大森さんの目に映るブラッド・ピット像に泣き笑いし、不思議と気持ちがデトックスされた時間でした。ちなみに自分は今までリック・ダルトン派でしたが、取材後見事にクリフ・ブースに感情移入してしまいました。よろしく哀愁。
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