猫の引力
この夏、たくさんの方と猫の話をしました。斉藤和義さん、高畑充希さん、ロングコートダディ堂前透さん、モーニング娘。’24小田さくらさん、みりちゃむさん……取材でお会いしたみなさんに話を聞かせてもらっている間、大いに笑い、しかしハッとさせられる瞬間も多々あり。言葉を交わすことはできないけれど、なんとなく気持ちが通じている気がする、自分とは別の生き物と一緒に暮らす豊かさに、胸の奥がじんわり温かくなる感覚がありました。
しかし人間同士がそんな話をしている間も、猫様の存在は絶対。インタビュー中も「ミャア」と鳴き声がすれば、その場の人間全員が「どちたの」と振り返り、取材や撮影を進行中のスタッフも、遊びに誘われれば猫じゃらしを手に全力応戦。台風が直撃した日の取材では、大の大人がずぶ濡れで集まり、目の前の不思議な生き物がただ静かに息をする様子をうっとり眺めるという状況に、謎のおかしみを感じました。でも、愛猫家のフォトグラファーが「でも、これが猫ですよね」と一言。
外が晴れだろうと大雨だろうと、いついかなる状況でも、その一挙一動から目が離せなくなってしまうし、それでいいのだと思える。抗いがたい、圧倒的な猫の引力を実感した夏でした。