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「居住空間学2024」編集後記:好きなものを正直に選べば、自分に似合う部屋になる

2024年5月1日発売 No.1007「居住空間学2024」を担当した編集者がしたためる編集後記。

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好きなものを正直に選べば、自分に似合う部屋になる

風通しが良くて、光がたくさん入って、一つ一つのもの選びのセンスも良い……どこを切り取っても暮らしのヒントが詰まった住まいが、今年も集まりました。16回目の居住空間学のテーマは「自分に似合う部屋」。取材中、どのお宅を訪ねても、こんな家に住みたい!!!と思いながら、自宅に帰って部屋を眺める、までの1セットを繰り返し、一体あの魅力的な空間と私の家の違いは何なのか、頭を抱える日々でした。

ただ美しく整えられた部屋が良いというわけでもなく、例えば、椅子の背に貼られたシールや、なんとなく置かれた民芸品など、好きなものが随所に散りばめられた空間に、愛嬌を感じます。そこには、住まい手がいるからこその面白さがありました。

統一感がなくて、物がたくさんあるけど、どれも私の一部だと思えるくらい好きなものがある自分の家は、なんだかんだ居心地がいいです。気負わずとも日々を過ごしていれば、自然と似合う部屋になっているのかもしれません。暮らし方への気持ちが高まる特集を終えて、とりあえず、今年のゴールデンウィークは部屋の掃除から始めようかな。

那須高原の陶芸体験で作った器
部屋に置いている、歪だけど気に入っている器。数年前に那須高原で陶芸体験をしたときに作りました。何を入れようか迷いつつ、とりあえず映画の半券を入れています。
BRUTUS No.1007 「居住空間学」バナー

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