十人十色な「スタンダード論」
「スタンダード」と聞いて、何を思い浮かべますか?辞書を引くと「基準」「標準」などと説明される言葉ですが、ファッションにおいては、もう少し広い意味を持つ言葉として用いられているのではないでしょうか。
そこで、2024年春夏のファッション特集では、「春のスタンダード」について、様々な角度から企画を考えてみました。ボタンダウンシャツやチノパンなど、いわゆるスタンダードなアイテムはもちろん、ブルータスが考える新しい定番を数多く紹介しています。
巻頭では19人の大人たちに、「定番」と「新・定番」アイテムについて答えてもらい、各人のスタンダード論に迫りました。
質問はこちら。
Q1. あなたは「定番(スタンダード)」をどのような言葉として捉えていますか?
Q2. あなたが愛用している「定番」アイテムは何ですか?
Q3. 最近「新・定番」として手に入れたアイテムは何ですか?
セレクトショップ〈UNION〉のクリエイティブディレクター、クリス・ギブス氏は「スタンダードとは、一般的な基準もしくは主要なガイドライン」であると答えてくれました。スタンダードがあるからこそ、それに対するカウンターが生まれ、新しいアイデアの原点になるのだそう。さらに、スタンダードとは、組み合わせることで変化する軸のようなものだと語り、体形の変化や歳を重ねることでも変わってくるのだと教えてくれました。
誰しもの中にある「スタンダード」というテーマだからこそ、十人十色な回答があり、勉強になるページになりました。本誌を読みながら、上記の質問を自分に置き換えて考えてみるのも楽しいと思います。この一冊が、自分の軸と向き合ういい機会になれば幸いです。