縦横無尽に創作した鬼才は棚も無秩序に広げていた
1968年、27歳の頃、フランク・ザッパはロサンゼルス郊外のローレル・キャニオンに大邸宅を購入。残りの生涯をこの家で過ごした。隠れ家のような地下室に〈ハッピー谷 ズルコン博士の秘密研究所〉と名づけたスタジオを作り、リハーサルやレコーディングに没頭。
『ホット・ラッツ』『いたち野郎』などの名盤もここから生まれている。機材や譜面、衣装などで溢れる雑然とした彼の部屋では、大量のものが、7万ドルで買ったというグランドピアノの上まで侵食。音楽家にもかかわらず、最も大事な仕事道具の楽器ですら棚として使っていたことがわかる。1974年に撮影。