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名付けて、食品サンプルきたなシュラン。そこには写真家の深い愛が

数々のミュージシャンのポートレートや、ライブ写真を撮ってきたフォトグラファーの山本佳代子には、街を切り撮るというライフワークがある。撮り続けた膨大な写真の中に、あったのは、街中の喫茶店やレストランの店頭で朽ち果てた食品サンプルたち。名付けて、「食品サンプルきたなシュラン」。そこには温かい目線があった。

Photo: Kayoko Yamamoto

店を見守ってきた食品サンプルたち

開店当初はピカピカで物珍しくて人気者だったのに、時間の経過とともにショーケースの中で日焼けし、埃を被って古ぼけてしまい、店主ですら気に留めることがなくなってしまった、食品サンプルたち。

店の顔なのにこの扱いはどうして?と思ったんですよね。でも、食品サンプルからは「ずっとご主人様を見守ってきましたよ」「あとちょっと、お互いに頑張りましょうね」という健気な声が聞こえてくるような気がして、近い将来、消えてしまうだろうこの景色を残さなければというミッションを勝手に背負うようになりました。

記録と同時に、記憶を切り撮る

東京の東側エリアなど、昭和の薫りが残っている下町に行くと、まだまだたくさん見つけることができます。最初は、食品サンプルそのものを、寄りで撮影していたんですが、そのうちにメニューの札とか、お皿まわりのディスプレイも楽しむようになりました。

時には撮り歩く自分自身がショーケースに写り込む姿を記録するときもあります。ホットケーキが評判の店のサンプルが、残念な状態のときもありましたね。でも、実際に食べたらやっぱりおいしかった。そういうことも場所の記憶として残っていくんですよね。

食品サンプルきたなシュランgallery

【オムライス】

【カレーライス】

【スパゲッティ】

【デザート】

【パン】

【パン②】

【ハンバーグ】

【一品】

【寿司と丼】

【麺】

【野菜】