花束を注文するときは
どう伝えればよいのか
上司の送別会。恋人や親友の誕生日。俄然悩ましい。予算や用途、渡す相手の年齢やキャラクター、それ以外に花束のイメージが的確に伝わる方法はあるのだろうか?
「相手の雰囲気がちゃんとわかる顔写真があるとイメージが湧きます」(〈音空花店〉川瀬涼子さん)。
また、「店のインスタにある花束の作品画像から土台を選んでもらえると、よりスムーズですよ」(〈ウヴル〉田口一征さん)。
花束に季節感を出したいときに、覚えておきたい花はある?
「春はチューリップ、アネモネ、ヒヤシンス、ラナンキュラス。初夏は爽やかにユリやアジサイ、ピオニー。真夏はトロピカルな花。秋はローズヒップなどの渋い実ものに枝を組み合わせてシックに。冬はバラですね。カップ咲きのオールドローズは底冷えする寒い季節にこそ映えます」(〈フラワーズネスト〉富吉泰元さん)
花束をプレゼントする際
気をつけるべきことは?
「相手との関係性にもよりますが、花言葉が重い品種だけでブーケを作るのは避けた方が賢明といわれています。
例えば、黄色いバラは“嫉妬”という意味も……。ほかの小花と組み合わせてアレンジするといいですね」(〈ル・ベスベ〉木津谷優子さん)
お見舞いの花束でのタブーは?
「贈られる方の病室が個室ではなく相部屋の場合は香りが強い水仙やユリはオススメしません」
花を買う予算感と
新鮮な花の見極め方は?
最近はどの店も値札がない状態。とはいえ、1本いくらですか?といちいち聞くのは野暮な気がするし、できれば粋に振る舞いたい。
「1輪から売っているので、気軽に聞いてみてはいかがでしょう?また、ブーケは¥3,000ぐらい〜と思われがちですが、意外と¥1,000ブーケ可の店も多いので、気軽に相談してみてください」
ちなみに、買うときに鮮度を見分ける方法はあるのだろうか?
「状態の見極めは花屋に聞くのが早いです。咲く経過を楽しみたい場合は五分咲きを。日持ちする日数は品種と飾る環境とで大きく変わってきますが、涼しいところなら春の花だとラナンキュラスは1週間〜1ヵ月。チューリップとヒヤシンスは3週間ぐらい持ちます」(〈花吾屋〉雨宮孝さん)
花瓶がないなら
何を使って乗り切るか
意気揚々と花束を買って帰ったものの、ちょうどいいサイズの花瓶がない!こんなときは……?
「家にあるもので代用できます。ガラスのジャーやトマト缶、ジョウロやバケツ。小花はジャムの空き瓶やコップなどがおすすめです」(〈ル・ベスベ〉木津谷さん)
実際、キッチンにあったトマト缶でトライ。紙のラベルを剥がして、バサッと花束を入れたらかなり洒脱な印象になる。空いたワインのボトルに一輪挿しをするというのもいい。
ちなみに素敵な花器はどこに売っているのだろうかと花屋を巡ってみると、大半の店が販売していた。しかも、いい店は花器も飾り方もセンスがあるから参考に。
花に水を行き渡らせる
“水揚げ”とは?
水揚げとは、花の先端まで水分を補給するために、茎や枝から水を吸い上げやすい状態にすること。
「切り花の水揚げは、茎の断面を広くとるために斜めにカットを。断面は乾燥に敏感なので水を入れた容器内で切るべきというのが通説ですが、すぐ水に戻せるなら空気中でも大丈夫です。
枝ものは、水を効率よく揚げるために、茎の先端にハサミを入れて2股に割る方法が一般的。ただ品種によっては、ハンマーで叩いたり、先端を削ったりする水揚げ法もあります」(〈野の花 司〉宇戸充代さん)
剪定バサミがない場合は?
「カッターを使いましょう。紙や布用、キッチンバサミだと、茎から水を上に引き上げる導管が潰れてしまうのでオススメしません」
花を長持ちさせたい!
水を替えるタイミングは?
涼しい季節は2日置きに水替えすればいいという説もあるが……。
「品種や季節に関係なく、毎日水替えするのが花にとっては理想です」(〈音空花店〉川瀬さん)
数日放置して、花首がぐったりしてしまったときの対処法は?
「水替えの際に、1cmほど茎をカットして断面を新鮮にすると、しっかり水が上がります。それでもダメな場合は“深水”を。方法は簡単です。新聞紙で花全体を包み、水を張ったバケツに浸けて半日ほど放置すると回復しますよ」
ほかにも、茎の先端を熱湯に浸してから冷水に浸ける“湯あげ”や、切り口が黒く炭化するまで焼く“燃焼法”などさまざまにあるようだが、品種によって最適な方法が異なるため細心の注意が必要。買うとき店で相談してみよう。
もらったブーケを
どうやって飾る?
「ブーケの状態で花器にバサッと入れても、小分けにしても自由ですが、茎を傷つける原因となる紐やゴムを外す方が、水を揚げやすくなります。
籠のアレンジ花は、完成形を崩さずオアシス(緑色の吸水スポンジ)に直接水をやるのが正解。飾る場所は、風通しがいいところを選ぶと長持ちしますよ」(〈ル・ベスベ〉木津谷さん)