野原をそっと束ね、和紙で包んで届ける贈り物。
築80年の古民家を改装し2019年8月に開業した〈花 小森〉は、宇治の路地にひっそりと佇む。店主の小森佐織さんは花の仕事を長く続けながらも、数年前に茶道を始めて日本の魅力を再認識。
改めて生け花を習ううちに、洋花に和花やハーブを加えた今のスタイルを作り上げた。「受け取った人が思い思いに楽しんでほしいから」と、あえて長い茎のままで束ねた花束は、野原の景色を思わせるナチュラルな仕上がり。ハタノワタルの和紙で包み、苧麻(からむし)で結ぶ。可憐な花とともに、自由に生ける喜びも届けてくれるのだ。