眠るための雰囲気を作る照明
ベッドサイドに置くテーブルランプは、光源が直接目に入らずまぶしくないものが正解。「フロアランプはベッドから離れた場所に置き、デザインの良さや光の広がりを眺めたい。部屋の中に光を点在させる “照明の複数使い”も、目や気持ちを鎮めるのに役立ちます」(川合将人さん)
〈Artemide〉 ECLISSE
イタリア建築界の巨匠、マジストレッティの傑作
「アニメのキャラクターっぽい佇まいの照明は、本体の内側にあるインナーシェードを回転させて光の強さを調節するスタイル。壁付けにもできて、かなり可愛いです」。巨匠ヴィコ・マジストレッティが1965年にデザインしたユーモラスなテーブルランプ。世界にイタリアンデザインの魅力を広めた傑作だ。中間スイッチ付き。
〈YAMAGIWA〉 TōFU LED
光そのものをデザインした吉岡徳仁の話題作
「部屋を暗くして点けると映像作品のよう。アーティスティックな寝室に」。吉岡徳仁が2000年に発表した「TōFU」を、LEDによってバージョンアップ。透明度が高いアクリルキューブに灯具を埋め込むことで、暗闇の中に光の多面体が現れるような照明を実現した。発想のもとになったのは、日本料理の美しさと手技だとか。
〈Phantom Hands〉 x+l04
アップサイクルされた木材が美しいフロアランプに昇華
「素材の組み合わせ方に職人のセンスが光るフロアランプ。ミッドセンチュリーや北欧の家具と相性が良さそうです」。家具の製造プロセスで生じる小さな木のブロックを、廃棄することなくリサイクルするためにデザインされた。木部は職人の手作業で成形、湾曲、研磨。ランプシェードの外側は手紡ぎの生糸生地。
〈FLOS〉 Bellhop Floor
天井を柔らかに照らす彫刻的なアッパーライト
イギリスのデザインユニット、エドワード・バーバー&ジェイ・オズガビー。彼らが2018年に発表して大ヒットした小型照明「ベルホップ」が、人の背丈ほどの高さがあるフロアランプに。「フロストガラスのシェードから広がる光が上品。部屋のコーナーに置き、周囲をほんのり照らすのを眺めながら眠りたい」。調光用フットスイッチ付き。
〈LAFABLIGHT〉 ECHINO QADRO TABLE LAMP
ヴィンテージランプの意匠を現代に合うようアレンジ
クラフツマンシップ溢れるシェードは、スリットが入った薄板に細いロープを幾重にも張り巡らせたもの。イメージソースは1950~60年代の古いランプシェードだ。「点灯した時、周りの壁に映る光がとても幻想的」。組み立ても糸の編み上げもフランスの家具工房で職人が行っている。
〈Herman Miller〉 Nelson Cigar Lotus Table Lamp
和にも北欧モダンにも合うジョージ・ネルソンの照明
ミッドセンチュリーの巨匠による1952年の作。絹で覆われたスウェーデンの照明から着想を得たネルソンは、ワイヤーを回転させて樹脂を吹き付ける技法でシェードを制作。「内部に大小の電球があり、複雑で美しい光を作る。和紙のような手触りと、紐をカチカチ引いて点灯する仕様が懐かしいです」。