〈幼魚水族館〉館長・鈴木香里武
【好きな水族館】上越市立水族博物館 うみがたり
Q1 その水族館が好きな理由は?
日本海ならではの生き物たちの乱舞に魅了されます。深海魚アバチャンがアツい!
Q2 魚の魅力を伝えるために、どんな活動をしている?
タモ網と柄杓片手に漁港に這いつくばり足元の海に現れる魚の赤ちゃん「幼魚」を採集して、飼育観察を通して魚の生活史を研究しています。また世界初の幼魚に特化した〈幼魚水族館〉を開館。生存戦略(生きざま)を伝えています。
Q3 生き物と触れ合っていて、最も感動した瞬間は?
港の足元で深海魚リュウグウノツカイの幼魚に出会ったとき。深海魚は遠い世界の住人ではない。海は横にも縦にも繋がっていると気づかされました。
生物ライター・平坂寛
【好きな水族館】モントレーベイ水族館
Q1 その水族館が好きな理由は?
カリフォルニアにある水族館です。展示の美しさはもちろんですが、それ以上に「海洋生物学の研究・普及の場」という、水族館の教育的な側面を高いレベルで維持している点に敬意を抱いています。
Q2 魚の魅力を伝えるために、どんな活動をしている?
魚を実際に捕まえたり、触れたり、時には食べたり、毒針で刺されたり。五感を使って学んだ魚の魅力を、文章や動画、あるいは講演という形で広く紹介しています。
Q3 生き物と触れ合っていて、最も感動した瞬間は?
新種の深海魚を自身の手で発見したときと、デンキウナギをつかんで感電したとき。
〈日本いか連合〉所属のイカライター・佐野まいける
【好きな水族館】サンシャイン水族館
Q1 その水族館が好きな理由は?
魅力は何といっても充実したイカ展示。時期によってアオリイカやコブシメ、ハナイカ、ミミイカなど、多くの種を観察できます。イカたちが元気に暮らしているのを見るのが何よりの幸せ。
Q2 魚の魅力を伝えるために、どんな活動をしている?
所属する〈日本いか連合〉で、イカを多角的に楽しむ同人誌『いか生活』の刊行など。個人ではイカの体の面白さを学んでイカを食べるイカ解剖 × 料理のイベントを開催したり、解剖できるイカのぬいぐるみの制作も。
Q3 生き物と触れ合っていて、最も感動した瞬間は?
寒いなか富山の海に入り、生きたホタルイカを手のひらにのせた瞬間。
ガラパゴスバットフィッシュ愛好家・バットフィッシャーアキコ
【好きな水族館】アクアマリンふくしま
Q1 その水族館が好きな理由は?
個性的な展示に広大なタッチプールもあり丸一日楽しめるから。館内に寿司屋があるのも魅力。
Q2 魚の魅力を伝えるために、どんな活動をしている?
イベントやメディア出演、寄稿などでガラパゴスバットフィッシュの知名度の向上と魅力の発信に励んでいます。2022年にはこの魚を扱う日本初の本『バットフィッシュ 世界一のなぞカワくん』を上梓。Xでラブポエム「#バットフィッシュへの恋文」を時々発信。
Q3 生き物と触れ合っていて、最も感動した瞬間は?
バットフィッシュに初めて出会った瞬間。その可愛さと同じ星で同じ時を生きている奇跡にむせび泣きそうになりました。
磯の生物観察家・でんか
【好きな水族館】すさみ町立エビとカニの水族館
Q1 その水族館が好きな理由は?
和歌山県すさみ町にある甲殻類に特化した非常にマニアックな水族館。ほかではパネルが付かないようなマイナーな生物まで約150種、甲殻類愛溢れる展示を見ることができます。
Q2 魚の魅力を伝えるために、どんな活動をしている?
日本全国の海を訪ねて生物採集や撮影。生態写真集の同人誌『ヤドカリのグラビア』シリーズを制作しています。ヤドカリの貝殻を脱がしたあられもない姿を掲載。
Q3 生き物と触れ合っていて、最も感動した瞬間は?
ヤマトホンヤドカリを初めて見たとき。赤い体に緑の目が映える姿は茶色くて小さな生物というヤドカリのイメージを吹き飛ばしました。
ウオヒレ作家・ウオヒレウロ子
【好きな水族館】葛西臨海水族園
Q1 その水族館が好きな理由は?
近くて安くて、さすが都営。寿司屋もある意味水族館だと思っています。
Q2 魚の魅力を伝えるために、どんな活動をしている?
日々店に入荷する魚のヒレの多彩な美しさに魅せられ、干して樹脂加工し収集。SNSに投稿するほか冊子『ウオヒレウロ子の素敵なウオヒレの世界』も制作。ウオヒレキーホルダーの販売も。お子様向けのウオヒレワークショップや展示を開催。
Q3 生き物と触れ合っていて、最も感動した瞬間は?
チカメキントキの腹ビレの美しさには圧倒された。赤と黒の衝撃的なカラー。広げないと見られない腹ビレに劇的な色彩の大きなヒレが潜んでいたことに驚愕。
湿地帯生物愛好家・オイカワ丸
【好きな水族館】マリンワールド海の中道
Q1 その水族館が好きな理由は?
イルカもペンギンも、シロワニのいる大水槽も素晴らしいですが、同時にハカタスジシマドジョウやセボシタビラ、ニッポンバラタナゴなどの地元の貴重な淡水魚の系統保存や展示にも取り組む幅の広さが魅力。近年リニューアルした淡水コーナーは必見です。
Q2 魚の魅力を伝えるために、どんな活動をしている?
ブログやSNS、観察会や講演会、研究論文や書籍の執筆を通して、身近な淡水魚の存在と守り方を広める活動を続けています。
Q3 生き物と触れ合っていて、最も感動した瞬間は?
小学生のときにずっと憧れだった淡水魚・カマツカを見つけてタモ網に入れた瞬間。
魚の骨が大好きな現役海洋大生・骨密堂
【好きな水族館】仙台うみの杜水族館
Q1 その水族館が好きな理由は?
ホヤやクチバシカジカなど三陸の海をテーマにした水族館。ダイビングツアーでは大水槽に入ってスナメリや魚を見ることもできます。4月はスナメリが恋の季節に入る時期なので、好奇心旺盛にダイバーの周りを泳ぐ愛くるしい姿を見せてくれます。
Q2 魚の魅力を伝えるために、どんな活動をしている?
魚の頭骨標本を制作。〈SAKANA BOOKS〉などで販売。
Q3 生き物と触れ合っていて、最も感動した瞬間は?
大学で初めて採集に行き、小さいアブラハヤを捕まえたとき。体を動かして生き物を探し、標本にすることで、座学だけでは知り得ないことがわかると気づかされました。
魚類剥製作家・小川貴光
【好きな水族館】沼津港深海水族館
Q1 その水族館が好きな理由は?
シーラカンスをはじめ深海に特化した珍しい水族館。5mのメガマウスザメのほか、たくさんの深海ザメや貴重魚種の剥製を制作・展示しています。
Q2 魚の魅力を伝えるために、どんな活動をしている?
博物館や水族館を対象に、特殊魚、稀少魚を専門で制作。地元・信州松本市で100体を超える剥製の展示会『魚の博物館がやってくる!魚魚展』を毎年開催しています。
Q3 生き物と触れ合っていて、最も感動した瞬間は?
リュウグウノツカイ、メガマウスザメ、ラブカなど貴重なお魚に出会えて、剥製を制作したこと。それらを前に記念撮影をする方々を見たときの喜びはひとしおです。
魚の骨「鯛(たい)の鯛」を集める中学生・佐々木蒼大
【好きな水族館】新江ノ島水族館
Q1 その水族館が好きな理由は?
魚を好きになった2歳の頃から数えきれないほど通っています。よく行くので水槽の魚の変化に気づいたりするのも楽しいです。
Q2 魚の魅力を伝えるために、どんな活動をしている?
胸ビレを持つ硬骨魚類には必ずあるといわれる骨「鯛の鯛」を集めています。現在約200魚種分を集めており、標本と手描きの図鑑を作っています(現在5巻まで完成)。水産庁のさかなの日の賛同メンバーとしても活動。
Q3 生き物と触れ合っていて、最も感動した瞬間は?
「鯛の鯛」がなかったり、退化したりしている魚に出会ったとき。生態に合わせて変化していることがわかって感動しました。