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Tシャツには人が出る。〈BARBER BOYS〉スタッフ・島田裕生

たかがTシャツ、されどTシャツ。Tシャツは、一枚一枚が持ち主の人生を雄弁に物語るものだ。〈BARBER BOYS〉スタッフ・島田裕生さんにお気に入りのTシャツを教えてもらいました。

photo: Hiroki Oe / text: BRUTUS

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人気の一枚より、誰も探さないワルの二枚目に憧れる

撃つ時に「パパパパッ」と軽い発砲音で、シカゴのマフィアが愛用した「シカゴ・タイプライター」と呼ばれるマシンガンがあるんですけど。それを構えているものだったり、彼らが身内を消す時に秘密裏に仕事を請け負った「マーダー・インク」のバグジー・シーゲルだったり。これらは90年代に『AKIRA』Tシャツを作っていた〈Fashion Victim〉がデザインしたもの。

集めている人と会ったこともなく、着ている人を見たこともない。この「パブリック・エネミー・ナンバーワン」のジョン・デリンジャーが最初の一枚。入口は映画ですかね。格好いいなと。善良な人間ほど(笑)、本物のワルに憧れるというか。北野武よりクエンティン・タランティーノの気持ちに近い気がします。

映画「パブリック・エネミー・ナンバーワン」のTシャツ
ほかにはマシンガン・ケリーやラッキー・ルチアーノ、当然アル・カポネなど、現在9枚。マフィア映画も収集するが、格好いいものに限る。

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