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Tシャツには人が出る。衣装デザイナー、ジェニファー・ジョンソン

たかがTシャツ、されどTシャツ。Tシャツは、一枚一枚が持ち主の人生を雄弁に物語るものだ。ヨルゴス・ランティモス監督の最新作『憐れみの3章』やマイク・ミルズ監督の『20センチュリー・ウーマン』などの映画衣装を手がける衣装デザイナーのジェニファー・ジョンソンさんにお気に入りのTシャツを教えてもらいました。


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photo: Atsushi Nishijima / text: Momoko Ikeda

アバンギャルド・ジャズTシャツは、家族のお下がり。それを自分らしく着る

今私はヨルゴス・ランティモス監督の映画撮影のためにイギリス郊外に長期滞在中なのだけれど、この出張用に持ってきていたTシャツの一枚は、夫のヒューゴが実家で見つけたTシャツなの。

彼が家族のいるスウェーデンからLAに戻ってきた時にこのTシャツを着ていて、あまりロゴTを着ない彼が珍しいなあと思ってよく見たら、スウェーデンのジャズピアニストである彼の父、ボボ・ステンソンの名前が入ったTシャツだった。

1971年にヤン・ガルバレクのアルバム『SART』に参加した時に作られたTシャツの2012年版で、白地にピュアな黒のタイポグラフィと、音楽のイメージが箇条書きの演奏家リストに凝縮されているところがとてもいい。

Tシャツを単独で着ることは普段ないというジェニファーだが、シモーネ・ロシャのカーディガンをウエストに加えることで自分らしく感じられるスタイリングに。

2001年にExperimental Jetsetが日本のブランド〈2K by Gingham〉のためにデザインしたTシャツのことも思い出したわ。あれも伝説的なポップアイコンの名前をとてもベーシックなフォントで表現していて、そのアイロニーが効いている感じが好きなの。

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