アバンギャルド・ジャズTシャツは、家族のお下がり。それを自分らしく着る
今私はヨルゴス・ランティモス監督の映画撮影のためにイギリス郊外に長期滞在中なのだけれど、この出張用に持ってきていたTシャツの一枚は、夫のヒューゴが実家で見つけたTシャツなの。
彼が家族のいるスウェーデンからLAに戻ってきた時にこのTシャツを着ていて、あまりロゴTを着ない彼が珍しいなあと思ってよく見たら、スウェーデンのジャズピアニストである彼の父、ボボ・ステンソンの名前が入ったTシャツだった。
1971年にヤン・ガルバレクのアルバム『SART』に参加した時に作られたTシャツの2012年版で、白地にピュアな黒のタイポグラフィと、音楽のイメージが箇条書きの演奏家リストに凝縮されているところがとてもいい。
2001年にExperimental Jetsetが日本のブランド〈2K by Gingham〉のためにデザインしたTシャツのことも思い出したわ。あれも伝説的なポップアイコンの名前をとてもベーシックなフォントで表現していて、そのアイロニーが効いている感じが好きなの。