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Tシャツには人が出る。文筆家・橋本倫史

たかがTシャツ、されどTシャツ。Tシャツは、一枚一枚が持ち主の人生を雄弁に物語るものだ。文筆家・橋本倫史さんにお気に入りのTシャツを教えてもらいました。

text: Ryota Mukai

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ご当地のおみやげTシャツで、余所者(よそもの)としての立場を示す

沖縄には10年ほど前に初めて訪れて、2018年頃からは毎月のように東京との間を行き来しています。このTシャツは買い替え続けていて、もう10枚目くらい。オリオンビールは大好きですし、数ある中でも最もシンプルなデザインを気に入っています。

着倒すほどになったきっかけの一つはコロナ禍でした。その頃にはもう、取材のため月1で通っていたのですが、感染が拡大し始めたばかりの時期はさすがに、県外からの来客が歓迎されていない空気を感じました。だからこそ、一目で観光客だとわかるこのTシャツを着ようと思ったんです。

取材に通ううえで、県外から来ていることを伝えないのはフェアではないなと。つまりこれは、僕の立ち位置を示してくれる一枚でもあるんです。

オリオンビールのプリントTシャツ
沖縄のおみやげ屋さんで購入。白のボディやシーサーなどがあしらわれたデザインも人気だが、このデザインばかり買うという。

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