Love

池田エライザ×ビスケとシャンプー。「猫は嘘がないから、人間よりもシンパシーを感じる」

大人になってから、猫と偶然の出会いをした俳優・池田エライザさん。彼女にとって、猫は人生の伴走者。時に大変なこともあるけれど、やっぱり猫がいるのは幸せなことだと教えてくれる、「私と猫」の話。

本記事も掲載されている、BRUTUS特別編集 増補改訂版 「猫だもの。」は、2023年4月11日発売です!

text: Asuka Ochi

猫は嘘がないから、人間よりもシンパシーを感じます

実家で犬を飼いながら、地域猫とも遊んだりしていたので、動物との暮らしには違和感なく育ちました。その後、上京してからインコをお迎えして、贅沢ですが、今は5羽専用の部屋で生活をしてもらっています。

我が家に猫が来たのは3年ほど前。保護猫の活動なども知っていたので、育てるとしてもペットショップで迎えることはないだろうと思っていたんですが、当時、鳥の餌をペットショップに買いに行ったら、一匹の猫がケージでぐったりしていて。

生まれて半年経って売れ残り、半額の値札がついたまま、小さなケージに大きくなった体を丸めてうずくまっていた。なんだか様子がおかしいなと、それから4日間お店に通って、家に迎えることにしたのがシャンプーです。病院に連れていったらFIP(猫伝染性腹膜炎)という難病を患っていて、治療を始めたのが最初の出会いでした。

その後、1匹は寂しいかなと思って、半年前くらいに知人からビスケを譲り受けたんです。でもそれは人間のエゴだったみたいで、まあまあ仲が悪くて、シャンプーがいつも私にクレームを言いに来ます(笑)。

シャンプーの病気が寛解して健康になった今は、不思議なくらい手がかからなくなりました。猫って気ままに生きてくれるし、嫌なことがあったらきちんと伝えてくれる。好き嫌いがはっきりしていて、香水をつけていた方と共演した日に、ちょっと気になるかなぁと思って帰宅して近づくと明らかに嫌な顔をされたり。わかりやすくて魅力的なんですよね。

だって、しっぽでだだ漏れじゃないですか(笑)。ご飯をもらって本当に嬉しい時は、しっぽをピーンってしてニャ〜とお礼をしてくれたり。自分にとって娘や相棒のような存在なのに、こっちが養ってるみたいな顔をされる時もあるし。嘘がない分、人間よりもシンパシーを感じますね。一緒にいられて本当に幸せです。

今のところは2匹の猫と5羽のインコでいっぱいいっぱいだけれど、出会いがあればまたというのはあるかもしれませんね。でも、自分でお迎えする以外にもいろいろな守り方があるから、一人一人ができる範囲で無理のないようにやれることをやるのが大切だと思います。

地域の皆さんと猫を保護したり、シェルターや保護猫カフェに差し入れをしたり、これから動物たちのためにできることも同時に考えていきたいです。