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アオイヤマダが属する、〈海老坐禅〉の到達点。フォトジェニック濃度120%の作品集ができるまで

さまざまな分野で活動するパフォーマーのアオイヤマダと、彼女の元に集まったトップクリエイターたち。それが、言語化できない感覚を自然と共有できる仲間、〈海老坐禅〉だ。メンバーは、アオイヤマダ、アートディレクターの河野未彩、写真家の磯部昭子、ヘア&メイクアップアーティストの冨沢ノボル、スタイリストの二宮ちえ、キャスティングディレクターのOi-chanの6名。その中から、河野と磯部に制作の背景を聞いた。

text: Masae Wako

写真作品約150点を収めた『EBIZAZEN』を発売

転機は2021年、熱海の〈ホテルニューアカオ〉での撮影。「この6人なら新境地を目指せる。創りたいという衝動を共有できる。そんな手応えを感じました」と話す河野。

磯部も「剃り上げた頭にエビのようなヘッドピースという異世界ルックを、アオイちゃんはじめみんなでヤバいってなって。結果、このカットが作品集の表紙、河野さんと私が最初に推していた削ぎ落とされた写真は裏表紙に」と振り返る。

『EBIZAZEN』
©EBIZAZEN

〈海老坐禅〉の構成要素の一つは、“それって日本っぽいよね”だ。バキバキの色使いだけれど馴染みのある「花輪」や「祭り」といった、日常的に目にするモニュメント。

「今まで、熱海、新宿、そしてアオイちゃんや磯部さんの故郷・松本で撮影しましたが、今後も全国を回りたいほど。独特な日本のカルチャーがアオイヤマダの魅力と掛け合わさり、フォトジェニック濃度が高くなる。そんな感動も制作の支えになりました」と河野は言う。

どうしても松本の三九郎(どんど焼き)を撮りたいという磯部の呼びかけに、まさかの正月全員集合が叶い、奇跡の一枚が撮れたことも。純粋な執念こそが人を動かし、人を魅了する。

〈PARCO MUSEUM TOKYO〉では、その世界にどっぷり浸れる展覧会も開催中だ。