松島大介のマイ・ルール
袖を通すと、無条件で気分が上がる約50年前の名作
学生時代を過ごしたアメリカの原風景を感じるアイテムは、ワードローブには欠かせません。ダウンジャケットもしかり。寒がりなのでスペックは重視しますが、昔のものでも軽くて保温性抜群のものはたくさんあります。
米・バークレーで70年代の登山ブームを牽引したアウトドアショップ〈ザスキーハット〉のオリジナルジャケットも、その一つ。温かみのあるブロンズ色が気に入って、年代別で3着愛用しています。
初期型は肩に馴染むラグランスリーブで、フロントはダブルジップ仕様。自転車や車での移動中の快適さも文句なし。唯一、ダウンのメンテナンスが不安でしたが、ヴィンテージを得意とするクリーニング屋を見つけてもう怖いものなし!

1982年に閉店した米・カリフォルニア州バークレーの老舗アウトドアショップ〈ザスキーハット〉が展開していたオリジナルブランド〈トレイルワイズ〉のローガンジャケット。71年にリリースされ、仕様変更を繰り返していた名作で、ラグランスリーブでポケットが斜めに付いているのが初期型の特徴。
Coordinated Items

「ブロンズと焦げ茶の組み合わせが大好き」と言う松島さんはマフラーとグローブで理想の配色に。どちらも、暖かいポッサムの毛で編んだ〈バルーン〉のもの。エスプレッソ色のほかに計5色を愛用。
北村恵子のマイ・ルール
着てよし、飾ってよし、民芸のような佇まい
ダウンウェアって、防寒着としての便利さや機能が期待されるアイテムですが、そればかりが先行する服はあまり好みではありません。効率性だけでは測れない手仕事が施されたものに愛着を感じます。
ただ、そういったものが世に少なくて、民芸のような感覚で愛(め)でられるダウンベストを〈ロッキーマウンテン〉に作ってもらいました。ボディには、着物に用いられる縞模様の出羽木綿地と、オレンジのナイロンタフタをコンビネーションにしています。着た時だけでなく、脱いだ後も飾っておきたくなるような美しい佇まいなので、玄関のコートフックに掛けて眺めているのも好きなんです。
この一着があるだけで、毎年秋の訪れが楽しみになります。

〈ロッキーマウンテン〉の超軽量ダウンベスト《シックスマンス》をベースに、〈MOGI Folk Art〉が別注したリバーシブル仕様。身頃には、ナイロンタフタと、着物に用いられる山形の出羽木綿のデッドストック生地を採用。繊細な生地のため、サンプルを作る生産ラインで一点ずつ丁寧に作られた。
Coordinated Items

秋から冬はスエット、春先はTシャツの上にダウンベストを羽織るのが定番の装い。ベーシックなグレーと後染めしたグリーンは〈MOGI Folk Art〉にまつわるプリントを施し〈サンカ〉に別注したもの。
