Wear

Wear

着る

松島大介と北村恵子のダウンのマイ・ルール

冬の防寒には欠かせないダウンウェア。極寒に備えたジャケットか、ロングシーズン活躍するベストか。〈パドラーズコーヒー〉代表・松島大介さんと、〈MOGI Folk Art〉ディレクター・北村恵子さんには、選ぶ基準も取り入れ方も、それぞれのマイ・ルールがある。

本記事は、BRUTUS「GOOD STYLE for Mr. BRUTUS 秋から冬のワードローブ。2025–26 A/W」(2025年9月16日発売)から特別公開中。詳しくはこちら

photo: Go Tanabe / edit: Keiichiro Miyata / props: AWABEES

松島大介のマイ・ルール

袖を通すと、無条件で気分が上がる約50年前の名作

学生時代を過ごしたアメリカの原風景を感じるアイテムは、ワードローブには欠かせません。ダウンジャケットもしかり。寒がりなのでスペックは重視しますが、昔のものでも軽くて保温性抜群のものはたくさんあります。

米・バークレーで70年代の登山ブームを牽引したアウトドアショップ〈ザスキーハット〉のオリジナルジャケットも、その一つ。温かみのあるブロンズ色が気に入って、年代別で3着愛用しています。

初期型は肩に馴染むラグランスリーブで、フロントはダブルジップ仕様。自転車や車での移動中の快適さも文句なし。唯一、ダウンのメンテナンスが不安でしたが、ヴィンテージを得意とするクリーニング屋を見つけてもう怖いものなし!

TRAILWISE
1982年に閉店した米・カリフォルニア州バークレーの老舗アウトドアショップ〈ザスキーハット〉が展開していたオリジナルブランド〈トレイルワイズ〉のローガンジャケット。71年にリリースされ、仕様変更を繰り返していた名作で、ラグランスリーブでポケットが斜めに付いているのが初期型の特徴。

Coordinated Items

ブロンズには、焦げ茶の小物
「ブロンズと焦げ茶の組み合わせが大好き」と言う松島さんはマフラーとグローブで理想の配色に。どちらも、暖かいポッサムの毛で編んだ〈バルーン〉のもの。エスプレッソ色のほかに計5色を愛用。

北村恵子のマイ・ルール

着てよし、飾ってよし、民芸のような佇まい

ダウンウェアって、防寒着としての便利さや機能が期待されるアイテムですが、そればかりが先行する服はあまり好みではありません。効率性だけでは測れない手仕事が施されたものに愛着を感じます。

ただ、そういったものが世に少なくて、民芸のような感覚で愛(め)でられるダウンベストを〈ロッキーマウンテン〉に作ってもらいました。ボディには、着物に用いられる縞模様の出羽木綿地と、オレンジのナイロンタフタをコンビネーションにしています。着た時だけでなく、脱いだ後も飾っておきたくなるような美しい佇まいなので、玄関のコートフックに掛けて眺めているのも好きなんです。

この一着があるだけで、毎年秋の訪れが楽しみになります。

Rocky Mountain Featherbed
〈ロッキーマウンテン〉の超軽量ダウンベスト《シックスマンス》をベースに、〈MOGI Folk Art〉が別注したリバーシブル仕様。身頃には、ナイロンタフタと、着物に用いられる山形の出羽木綿のデッドストック生地を採用。繊細な生地のため、サンプルを作る生産ラインで一点ずつ丁寧に作られた。

Coordinated Items

色柄のあるダウンベストの中はシンプルに
秋から冬はスエット、春先はTシャツの上にダウンベストを羽織るのが定番の装い。ベーシックなグレーと後染めしたグリーンは〈MOGI Folk Art〉にまつわるプリントを施し〈サンカ〉に別注したもの。
HORI、西野大士、北村恵子、松島大介、金子 茂、池田尚輝
左からHORI、西野大士、北村恵子、松島大介、金子 茂、池田尚輝。
No.1039「秋から冬のワードローブ。」ポップアップバナー