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池田尚輝と金子茂のダウンのマイ・ルール

冬の防寒には欠かせないダウンウェア。極寒に備えたジャケットか、ロングシーズン活躍するベストか。スタイリスト・池田尚輝さんと、〈ビームス プラス〉チーフバイヤー・金子 茂さんには、選ぶ基準も取り入れ方もマイ・ルールがある。

本記事は、BRUTUS「GOOD STYLE for Mr. BRUTUS 秋から冬のワードローブ。2025–26 A/W」(2025年9月16日発売)から特別公開中。詳しくはこちら

photo: Go Tanabe / edit: Keiichiro Miyata / props: AWABEES

池田尚輝のマイ・ルール

腰に巻いたセーターを被ってダウンは内に忍ばせる

普段は車移動が多いので、“ダウン”は薄手のベストタイプを着ることがほとんど。それもインナーダウンとして活用しています。

職業柄、モデルを着替えさせる時にさまざまな方のレイヤリングを目の当たりにするのですが、撮影にやってきた10代のモデルがローゲージセーターの下に薄手のダウンベストを着ていたことがあって。ダウンのモコモコが表に全く影響していなかったので、見た時はハッとして!秋が短くなった日本の気候で長い冬服生活を乗り切るうえで、着こなしの幅を広げる絶好のアイデアだなと。

ちょうど〈バナナ・リパブリック〉のユーズドセーターを購入したので、この着こなし術を生かしてヘビロテしたい。

WESTERN MOUNTAINEERING
1970年、米・カリフォルニア州で創業した〈ウエスタンマウンテニアリング〉の超軽量ダウンベストを、まだ“インナーダウン”という呼び方が新鮮に感じた15年ほど前に購入。現在も展開する名作で、ダウン抜けしにくく、超細番手の糸を高密度で織り上げたリップストップナイロンが今も採用されている。

Coordinated Items

70年代のクライマーに習ったパンツ選び
ダウンは元来アウトドアギアなだけにヘビーデューティなパンツと合わせるのがしっくりくるそう。左から〈コモリ〉のモールスキンパンツ、〈ラングラー〉のダックパンツ、〈エルエルビーン〉のジーンズ。

金子 茂のマイ・ルール

フードを付け替えて、世界で唯一の配色を楽しむ

ファッションが楽しいのは断然、冬。やはり主役は、ダウンジャケットです。僕の“ダウン開幕”は、12月から。それから2月末まで一度袖を通したら次のダウンジャケットというペースで60着近くあるヴィンテージを着回しています。

中でも気に入っているのが、70年代に発売された、通称、ノース・フェイス・パーカです。アカプルコゴールドと呼ばれる、ブランドを象徴する黄色です。ニューヨークで同ジャケットのネイビーのフードを手に入れたので、付け替えてツートンで着こなしてみました。

こうやって、配色をアレンジするのが昨年からのマイブームなんです。品番やブランドが違っても、製作された地域と年代が同じなら、案外付け替えて楽しめます。

THE NORTH FACE
アラスカ探検の犬ぞり用に開発された、通称、ノース・フェイス・パーカ。70年代初期から半ばまで展開したアカプルコゴールドの配色に一目惚れして購入。このモデルは軽いナイロンリップ製。その後、より強靱なベイヘッドクロスにアップデートされていくが、金子さんは軽さを重視し、愛用。

Coordinated Items

ダウンアウターと同じ配色で統一する
中に着たカラフルな、スポーツシャツとラガーシャツ。生地が頑丈なことから、70年代頃のアメリカのアウトドアシーンで親しまれるようになったアイテムのストーリーをスタイリングにも踏襲。
左からHORI、西野大士、北村恵子、松島大介、金子 茂、池田尚輝。

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