コロナ禍前は、IoT(Internet of Things)で生活がデジタル化していく夢のような技術が注目されていたが、ここ数年は実用的で生活必需品のような技術が多い。しかし近い将来には揺り戻しが来て、バーチャルアイドルのような贅沢品ともいえるエンターテインメントを楽しめるテクノロジーが発展するだろう。
Text to Motion
入力されたテキストからモーション(動き)を生成すること。現在、テキストから画像やビデオを生成することは簡単だが、動きを生成することで、人間の表情も作ることができる。
例えば、バーチャルヒューマンを作成するためには多くのコストがかかっていたが、AIを使うことでローコストで制作できる。これはゲームやコンサートなどエンタメ業界に対するインパクトが大きく、AIを用いたコンテンツの表現力が飛躍的に上がるだろう。
プロンプト・プログラミング
ChatGPTを使いプロンプト(テキスト)からコンピュータープログラムを生み出すこと。使ったことのないプログラミング言語でもChatGPTを使えばアプリなどを制作することができる。
例えば、「state」というアプリは開発者が初めて使うFlutterという開発ツールで制作された。これは既存の中級プログラマーにとってはAIに仕事を奪われるという話でもあるが、逆に言えば、初心者でも少し学べば中級程度のプログラミングができるようになるということである。
スペーシャル・コンピューティング
現実空間とリンクした情報表示を行う技術のこと。Apple Vision Proの登場によりVR/ARとは異なる展開が見えてきた。例えばヘッドセットを着ければ、カレーを作るとき、レシピと圧力鍋のタイマー、材料の分量までモニターできるようになる。今後どこまで生活に浸透するかは未知数である。
Web2.5
Web2.0はGAFAのような巨大プラットフォームに依存した中央集権的システムだったが、ブロックチェーンを土台とした分散型のエコシステムであるWeb3に移行しようとしている。
しかし現在は混乱期であり、Web3は仕組みを作っても、Web2.0のように作った人が利益を独占できないため、なかなか作り手が育たないという問題がある。そこで現実社会の中でWeb3の分散型の仕組みを利用した妥協的な考え方として登場しつつあるのがWeb2.5であり、企業や政府が仕組みを作るという策も出てきている。