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愛する

店主の審美眼光るアンティークショップ。京都〈dialogue〉

かつて誰かが愛用したものは、きっと今、誰かが欲しているもの。バラして磨き、組み直した自転車、2000年前後のファッション、民家や公共空間からの掘り出し物にデザインもの、西洋の木彫まで。ヴィンテージだからこそのクセ強なセレクトショップ、集めました。

photo: Yoshiko Watanabe / text: Mako Yamato

「もともと好きだったのが、数十年前にフランスの蚤の市で開眼。それからは機会を見つけ、20年以上にわたり古物を国内外問わずコレクションとして楽しんできた」と店主の田中健太郎さん。ところが、好きが高じて「これをやらなかったら後悔する、と。残りの人生をアンティークのことだけ考えて過ごすのもいいなと思うように」。

暮らしていた東京で物件を探して契約に至るも、コロナ禍のロックダウンで延期になる。その間に関西にまで候補を広げ、やがて船岡温泉の離れとして建てられた築100年のこの建物と出会う。そして2022年に移住と開店を果たしたのだ。その行動力たるや!

1階は紙ものや食器、瓶など手にしやすいものが中心。中庭を抜けて向かう2階には、古道具や椅子などの大ぶりのものが並ぶ。経年の魅力を持つ建物で、静けさを感じさせるディスプレイもまた美しい。

京都 dialogue 店内
登録有形文化財でもある〈船岡温泉〉の離れとして建てられた建物。ヨーロッパに加え、日本や李朝のものが交じる。