スケールはもはや一つの“村”、壮大な英国庭園へエスケープ
イギリス南西部の避暑地、サマセットで、貴族が継承してきた広大な土地を蘇らせた話題のホテル。約1,000エーカー(東京ドーム87個分!)という敷地内に客室は40室のみ。客室の本館は築350年超のジョージアン様式の邸宅。上質な空間デザインも宿泊者を魅了する要素だ。
敷地の中心を成すのは壮大な英国式庭園と、ホテルの食材のほとんどを賄う野菜やハーブの農園。さらに養蜂場、数百頭の鹿や羊が暮らす原生の森、3,000本のリンゴ園と、そのリンゴで造るサイダー醸造所も。農園製の食材を売るマーケットに、ゴージャスなスパ施設、敷地内で発掘された遺跡の博物館も有する。
ガーデンホテルの範疇(はんちゅう)を軽く超える、いわば “夢の村”。宿泊は基本2泊からだが、それではとても足りないスケールだ。
砂漠と奇岩群に囲まれた注目エリアのリゾート
厳格なイスラム教国のため、商用や巡礼など限られた外国人しか入国できなかったサウジアラビアが2019年から観光客の受け入れをスタート。次々とホテルがオープンする中で、そのロケーションとデザインで話題の一軒だ。
北西部のオアシス都市アルウラは、考古遺跡へグラへの玄関口。へグラは紀元前1世紀から紀元1世紀に建造され、ヨルダンの有名なペトラ遺跡を首都とする王国の古代都市であったという。
見渡す限り、砂漠と岩山が続く渓谷に、テントのようなヴィラが砂漠に沿うように立つ〈バンヤンツリー・アルウラ〉。タイで世界初ヴィラ式のスパを始めたホテルブランドだけに、岩間のスパは格別。神秘的な景観とともに、太古の歴史に思いを馳せたい。
列車の中から野生動物を眺める、未知のサファリ体験
南アフリカのサファリを代表するエリアとして知られるクルーガー国立公園。2020年、公園内にユニークな宿が誕生した。サビー川に架かる廃線になった鉄橋・セラティ橋に、1950年代に使われていた車両を停留させ、24室のゴージャスなバスルーム付きスイートに改装。
ゲストは客室の大きなガラス窓から、また鉄橋の上に造られた通路を散歩しながら、四国とほぼ同等の広さという壮大な国立公園の景観を満喫できる。また宿泊料にはサファリカーでの1日2回のゲームドライブ付き。サバンナをひた走り、ライオンやバッファローなど「ビッグファイブ」と呼ばれる南アフリカの大型野生動物たちを間近で見ることも。世界にサファリリゾートは数あれど、鉄道好きの心をもくすぐる物件は、そうはない。