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頼りになるマンガ Vol.14:結婚生活がギクシャクしてきた。

人は悩みを抱えたり困難に遭遇したりすると、藁にすがったり猫の手を借りたり、思いも寄らぬ行動に出るらしい。すがられる藁も動員される猫もいい迷惑だろうに。それならいっそ、マンガに頼ってみませんか。コンシェルジュが厳選した「頼りになるマンガ」!

Illustration: Ken Hamaguchi / Text&Edit: Keiko Kamijo, Akio Mitomi, Saki Miyahara, Kaz Yuzawa

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結婚生活がギクシャクしてきた。

『サターンリターン』鳥飼茜/著

推薦者:青柳いづみ

誰かに心を許しても、自分のことしか見えていない。

生きるって失い続けることだ。それがわかっていて、なぜ人は人と関わるのだろうか。点が線になり、結ばれ、広がり、やがて絡まり自分で結び目を解くことができなくなってしまう。

結婚というものが私にはわからないけれど、彼女を見ていると私達はまだ大丈夫だと思えるのかもしれない。それは気のせい。次から次へと失うのだ。どこに行っても何をしても、誰かに心を許しても、自分のことしか見えていない私は主人公と同じだ。

こんな所からはさっさと脱け出したいね。鳥飼さんの絵には、人間てこんな顔をしているのだと思い知らされる。見たくないもの、見てはいけないものを見せられているような。全てを暴かれてしまう気がして、顔を見られるのがこわいです。

『夫を捨てたい。』いくたはな/著

推薦者:兎来栄寿

まずは相手を知ることから始めましょう。

この作品では妻が夫に対して覚えるリアルな怒りや嘆き、それに伴う不安が描き連ねられています。男性が読むと身に覚えのある言動もあるかも?

何も言わないでもこれくらい察してほしいという女性側の気持ちも痛いほどわかるのですが、えてして男性側は本気で気づいていなかったり気にしていなかったりしがち。夫婦は家族ですが、本を正せば長年別々に暮らしてきた他人。主義主張もストレスに感じるものも違うので、お互いに擦り合わせて妥協点を探るしかありません。

その際どういう部分がストレスになり得るかが可視化されているこの一冊を読むと、参考にできる部分、また反面教師にできる部分があるでしょう。思いは言葉に、期待はほどほどに、感謝は無限に。

『1122』渡辺ペコ/著

推薦者:SYO

夫婦で読んで、読後の意見交換をしてみよう。

リモートワークで生活スタイルが変わり、夫婦仲が荒れ気味のご家庭が増えたと聞きます。愛する人とずっと一緒にいるために……。“公認不倫”という究極の決断をした2人の物語を読んで、考える機会を持つのもいいかもしれません。

セックスレスの夫婦が円滑に共同生活を送るべく考えた「自分以外の相手と恋愛OK」のプランは、吉と出るか凶と出るか。合理的に判断したはずなのに、気持ちはそうはいかなくて……。毎日仕事で忙しく、生きていくだけでいっぱいいっぱいになりがちな現代の夫婦像において、非常にタイムリーなテーマをはらんだ衝撃作。

このマンガを読んで、パートナーはどう感じたのか?最近減りがちな夫婦の会話を、再び活性化させるきっかけにも。

『新婚のいろはさん』OYSTER/著

推薦者:川村豪

2人の生活を眺めていれば、何かに気づくはず。

結婚生活というより、気が合う者同士の共同生活のような日常を描いた作品です。いろはさんとマンガ家の始君という幼馴染の2人が、そのまま生涯をともにするところ、すごく良いなぁと感じてますし、なにげない日常のやりとり中心なので安心して見ていられます。

家電を買いに出かけてあれこれ迷ったり、深夜にコンビニへ行って肉まんとあんまんを半分こしてみたりと、パートナーと何でもないことをすることが、とても幸せだということに気づかせてくれます。

結婚生活がギクシャクしてきたと感じた時、ただただ自然な2人の共同生活を4コママンガでテンポよく読んでいるうちに、温かい気持ちになって新婚時代を思い出させてくれるかもしれません。

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