Wear

Wear

着る

大貫達正、金子恵治のデニムジャケットのマイ・ルール

誰にとっても定番だが中でも自分なりの価値を持つデニムジャケットラバー、〈サンタセッ〉主宰・大貫達正さんとクリエイティブディレクター・金子恵治さんに、惚れ込む一着を聞いた。それぞれの着こなしに欠かせないマイ・ルールにも迫る。

本記事も掲載されている、BRUTUS「GOOD STYLE for Mr. BRUTUS 春のスタンダード。2024S/S」は、好評発売中です。

photo: Go Tanabe / edit: Keiichiro Miyata / props: AWABEES

大貫達正のマイ・ルール

デニムジャケットと、歴史や系統が同じ服なら調和が取れる

私の中でデニムは不思議な存在で、ファッションに興味を持つ前からかっこいいものの対象でした。そんな思いもあり、少し大袈裟ですが、私にとってデニムジャケットは正装なんです。目的や会う人、気候によっても選ぶモデルが変わります。友人とのカジュアルな食事会なら色落ちしたライトブルーのものを、という具合。雨の日は、移染するインディゴは絶対に選ばない。

その着こなし方は、例えば、ウエスタン発祥の〈ラングラー〉の1950年代のデニムジャケットなら、同年代を背景に持つデザインやネイティブアメリカン・テイストの服を合わせる。そうやって点を線にしながらコーディネートすると、チグハグに見える組み合わせが自然とまとまります。

Wrangler
Wrangler
世界初のデザイナーズデニムブランド、〈ラングラー〉で通称“ファースト”と呼ばれる1955〜57年製のデニムジャケット「111MJ」。肘部分のアタリ、“蜂の巣”や自然な濃淡が気に入り購入。稀少なうえ、生前にジョン・レノンが愛用していたこともあり、ヴィンテージ市場でも価値の高い人気モデル。

Coordinated Items

〈ラングラー〉発祥の地を代表するネイティブアメリカン・モチーフが施されたメモリアルパンツとスタッズベルト。〈大坪シャツ〉のシャツ
〈オールデン〉の革靴
大貫流、〈ラングラー〉と好相性なもの。
〈ラングラー〉発祥の地を代表するネイティブアメリカン・モチーフが施されたメモリアルパンツとスタッズベルト。〈大坪シャツ〉のシャツと〈オールデン〉の革靴は、1950年代を象徴する仕様のもの。

金子恵治のマイ・ルール

サイズ選び一つで、ベーシックから逸脱した装いに

デイリーに穿きやすいジーンズと違って、表にポケットなどのデザインが施されたデニムジャケットは主役級の存在感があります。印象が強いだけに、着用するのは毎月1、2日程度。気分を変えたい時に効果は絶大です。特にビッグサイズのものは、デザイン自体はスタンダードながら、ポケットの位置や比率がアンバランスになるので、個性が強まります。

ルーツは作業着ということも考慮して、ルーズになりすぎないようにドレスアイテムを着こなしの軸に据える。座った時のために、抜かりなく靴下もドレス仕様に。これが、僕なりのデニムジャケットを着こなすためのレシピ。サングラスとキャップは、どんな装いも自分らしくなる味つけのようなものです。

TUF-NUT
TUF-NUT
アメリカ西部発の老舗ワークウェアブランド〈タフナッツ〉の1950年代のカバーオール。古き良きアメリカンクラシックを象徴する一着だ。「私にとってのベストコンディションで、これ以上経年変化していたり、逆にきれいだったら、手を出さなかったと思います」と一目惚れして、福岡の古着店で購入。

Coordinated Items

右/NYの老舗高級ブティック〈A. Sulka&Compa
ny〉のヴィンテージシャツ、ナポリのハンドソ
ーシャツメーカー〈サルヴァトーレ ピッコロ〉に、〈ナイスネス〉がオーダーしたストライプシャツ
小ぶりな襟ならノータイでも着やすい。
左/ナポリのハンドソーシャツメーカー〈サルヴァトーレ ピッコロ〉に、〈ナイスネス〉がオーダーしたストライプシャツ。右/NYの老舗高級ブティック〈A. Sulka&Company〉のヴィンテージシャツ。
Kosuke Adam、芳賀規良、金子恵治、大貫達正、関 杏輔、中武康法
左から、Kosuke Adam、芳賀規良、金子恵治、大貫達正、関 杏輔、中武康法。