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水族館で出会いたい、水の生き物図鑑 ~深海生物編~

太陽の光が届かない深く暗い海の生態系には、多くの謎が残されている。生き物の姿形も不可思議で、近年はカルト的に人気を集める種も多いのだ。細部までじっくり眺めたい。

text: BRUTUS

アカグツ

ペタペタと地を這う赤い怪物

アカグツ
にょきっと伸びた小さな足のように見えるのはヒレ。アンコウの仲間で立派な魚類だ。しかし、あまり泳がず、地を這うようにのっしり動く。その姿から、ヒキガエルの古い呼び方「クツ」を由来に命名されたという。

ツボダイ

成長とともに深海生活に移行していく魚

ツボダイ
背ビレに鋭いトゲを持ち、非常に硬い。幼魚の頃は体に模様があり、エサが豊富で捕食者が少ない海の表層近くで生活しているが、成長するに連れて模様は消え、深海に移動するのが特徴。食用としても人気がある。

ヒメカンテンナマコ

スケルトンに輝く、深海の宝石

ヒメカンテンナマコ
数cm程度の小さな生き物。泥の中の有機物を捕食して生きる。体は寒天ゼリーのように半透明で、プヨプヨと柔らかい。刺激を受けると突起の先端が青白く発光する。暗い海の底で輝く姿はまさに深海の宝石だ。

ヌタウナギ

刺激を受けると、ネバネバの粘液で攻撃

ヌタウナギ
脊椎動物の中でも珍しい、背骨や顎がない無顎類に属する。刺激を受けると体から出す粘液は粘性がとても強く、生物を窒息にまで追い込むことも。動物の死骸を食べている。食用にも適しており、コリコリとした食感は評判。

ミドリフサアンコウ

悪魔のような顔で獲物を捕らえる

ミドリフサアンコウ
目と目の間の小さな突起はエスカ(擬似餌)。本来はこれをエサに見せかけて捕食する小魚をおびき寄せるのだが、この大きさで役に立っているのかは怪しい。水や空気を吸い込んでパンパンにふくらんだ姿も異様だ。

ヤスリヤドカリ

イソギンチャクを背負う理由は……

ヤスリヤドカリ
背負った貝殻にイソギンチャクを付着させていることが多いというヤドカリ。天敵から身を守る工夫なのだとか。貝殻を引っ越しする際には、イソギンチャクもしっかり連れていくという何とも珍奇な生態を特徴に持つ。

国営沖縄記念公園(海洋博公園):沖縄美ら海水族館

メンダコ

深海一の人気者、耳がキュートなアイドル

メンダコ
ぼてっとした体、ぴんと立った耳のような突起。今やそのグッズがおみやげコーナーを埋め尽くすほど大人気な、タコの仲間。飼育が困難で、健康な個体を捕獲することも難しく、水槽では数週間しか生きられないことが多い。

トリノアシ

海の底に咲く花のような生命体

トリノアシ
もはや生き物かどうかすら一目ではわからない外見だが、「ウミユリ」の一種で、ヒトデやウニと同じ棘皮(きょくひ)動物に属する。花のように開く「腕」についた触手がプランクトンを捕らえ、それを付け根にある口まで運んでいく。

ヒカリキンメダイ

ホタルのように輝く発光魚

ヒカリキンメダイ
暗い海で群れになり、無数の光を放つさまはホタルのよう。目の下の発光器に発光バクテリアを共生させることで光を放っている。光る理由は仲間とのコミュニケーションや、天敵から逃れるためなどと考えられている。

シーラカンス

生物の進化の謎を解く鍵が残された“生きた化石”

シーラカンス
謎に満ちた深海の代名詞的存在。20世紀初頭までは絶滅したと思われていたが、アフリカやインドネシアなどで生体が発見された。水族館にあるのは標本だが、その姿を観察し、古代からの生物の進化に思いを馳せたい。

ダイオウグソクムシ

キモカワイイ⁉巨大ダンゴムシ

ダイオウグソクムシ
近年の深海生物人気を牽引する存在。海底で魚の死骸などを食べるが、水族館では5年間にもわたり絶食して生き続けた記録もあり、生態には謎が多い。最大50cm程度まで成長するその大きさも不気味だが、どこか愛らしい。

イガグリガニ

見ているだけで痛そうな、全身トゲだらけの「カニ」

イガグリガニ
文字通りイガグリのようにトゲに覆われた、「カニ」と名はつくもののヤドカリの一種。その証拠に、よく見るとはさみを含めて足は4対しかない。実はタラバガニも同じで、このイガグリガニもタラバガニ科に属している。

タカアシガニ

細長い手足がクセになる巨大ガニ

タカアシガニ
深海展示の水槽でもひときわ大きな存在感を放つ、世界最大のカニ。はさみを広げたオスは3m近くに達する。大きな体だが、獲物を捕らえるときの動きは素早い。主に日本の近海に生息し、古くから食用にもされてきた。

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