アングランパ(さいたま新都心)
見た目も味わいも力強い、記憶に残る個性派シュー
さいたま新都心駅程近くにあるパティスリー。オーナーシェフは、フランス菓子の第一人者である〈オーボンヴュータン〉河田勝彦シェフの下で修業をした丸岡丈二さん。
この「シュー・パリゴー」も、同店の流れを汲んでいる。「タヒチ種バニラビーンズが香る濃厚なカスタードクリームと、がっしり焼かれたシュー、粗めのアーモンドの香ばしさとザクザク感がマッチした、ガツンと力強い味わいがたまりません」。
ペストリーブティックウェスティンデリ(恵比寿)
薄皮シューが包み込む重量級のクリーム
重さ200g超えのビッグなシュークリームは、午前中で売り切れ必至の人気アイテム。「温度や蒸気を細かく調整して焼き上げた背の高いシュー皮に、隙間なくたっぷり詰まったクリームで満足感は大きい。
クリームは、コシの強いカスタードに、硬く立てた生クリームの泡をわざとつぶすように空気を抜いて合わせているのがポイント。かじっても垂れてこないほどしっかりしたコシがありつつ、ごく滑らかで軽い食感に」。
ラトリエ モトゾー(池尻大橋)
パイ、シュー、サブレの3層がクリームを包み込む
2014年に惜しまれつつ閉店した、表参道〈ソル・レヴァンテ〉の元シェフ・藤田統三さんがオープンしたイタリア菓子専門店。「パイ、シュー、サブレの3種の生地に、カスタードにホイップクリームを合わせた濃厚なクレーム・ディプロマットを詰めたユニークな仕立て。
素朴でいてリッチな味はまさにイタリア菓子の真骨頂」。甘くて滑らかなカスタードに塩気のある生地が合う。上にはフォンダンとスライスアーモンドが。
アテスウェイ(西荻窪)
カリッと軽い薄皮に濃厚なクリームがぎっしり
吉祥寺駅と西荻窪駅の中間に店を構える都内有数の人気パティスリー。オーナーシェフは、世界中の権威ある大会で優勝経験を持つ川村英樹さん。
容姿端麗な「シューアラクレーム」は「上質な卵を使って、しっかりと炊いたという感じがするカスタードクリームが、ひとなめで、がつんとパンチをくらった感じのするおいしさ。一方の皮はクランブル生地をかぶせて焼いてあるのでカリッとした仕上がり。この皮とクリームのマッチングが素晴らしい」。
アンフィニ(九品仏)
2種のバニラで複雑な香りと味わいに
〈アンフィニ〉は、人気店〈アングラン〉でシェフパティシエを務めた金井史章さんが満を持して独立し、2020年1月にオープンした店。軽い口当たりながら濃厚さを感じさせるシュークリームの秘密は、カスタードクリームの香りと食感の良さ。
「ブルボンとタヒチの2種のバニラを使ったカスタードが香り高い。しっかり硬めに炊き上げて味が凝縮されたクリームのぽってり感が心地よいです。表面のアーモンドと砂糖のカリカリ食感がアクセント」。
ポルトボヌール(北浦和)
カリッとしたシューに2種のゴマがアクセント
人形町の洋菓子店〈シュークリー〉にも在籍していた、渡邉泰史シェフによるパティスリー。生地は2段階の火入れを行い、最後に熱風で乾燥させることで、カリッとした食感に。
使用する材料をほぼ国産にこだわったカスタードは、非常に濃厚なので、軽やかにするためにホイップクリームを混ぜている。「黒ゴマと白ゴマをまぶしていて、とっても風味豊か。濃厚なカスタードとも相性バツグンです。シュー皮の食感もたまりません」。320円。
セルクルファクトリー(札幌/北海道)
生産者の違う牛乳と卵の、4種の濃厚クリームを堪能
北海道の厳選した食材で作る料理&スイーツ店から派生した通販ブランド。牛乳と卵の生産者の組み合わせを変えた、黄色と白色の2色4タイプのクリームを楽しめる。特に白色は、黄身が淡い色の卵「米艶」(十勝・竹内養鶏場)を使用。「米を食べて育った鶏の卵はピュアな味わいなので、牛乳の風味がしっかり伝わってきます。逆さにしても落ちないほど密度の濃いクリームがたっぷりで食べ応えあり」。
西村洋菓子店(河内長野/大阪)
生地、クリームとも食感は軽く味わいは深い
ホテルやレストラン、洋菓子店で研鑽を積んだ西村隆也シェフが切り盛りする人気店。パイの上にシューをのせ高温で焼成後、低温で乾かすように焼き上げた香ばしい生地が特徴だ。クリームは、ぶりんぶりんになるまで煮詰めたカスタードと乳脂肪分の異なる3種を合わせた生クリームをブレンド。「バターの風味漂うパイ、ゲランドの塩を効かせた褐色シュー、マダガスカル産バニラが香る、儚いほどの口溶けのクリームとの饗宴が素晴らしい」。
ボニュ(名古屋/愛知)
自然の恵みを感じる香り豊かなフランス菓子
閑静な街、本山に2020年6月オープン。パティシエールの駒田記子さんは〈パティスリー・サダハル・アオキ・パリ〉で腕を磨いた実力者。自然豊かな愛知県旧小原村のアトリエで生産する。一番大切にしているのは材料選び。粗糖、有機小麦粉などのほか、、契約農家の安全な卵、芳醇なタヒチ産バニラを用い、季節に応じてレシピを微調整する。「華やかで、落ち着いた上品な香り。じわ~っと体に染み入ります」。
マビッシュ(芦屋/兵庫)
大人好みの複雑な味わいでシュークリームを超える⁉
芦屋に店を構える人気店。こだわりのシュー生地は、最初に低温でじっくり焼成することで、外はサクッ、中はクレープのような焼き上がりに。クリームは、カスタードにイタリア産ピスタチオペーストとバタークリーム、生クリームを混ぜ合わせ、さらにキルシュ酒のシロップで香りづけしている。「保形性のあるクリームは、口の中の温度でとろり。中に潜んだフランボワーズのコンフィチュールが、コクのあるクリームと絶妙なマリアージュを生む」。
キムラ(京都/京都)
存在感ある皮で受け止める卵の風味が際立つ優しい味
店主の木村良一さんの、実直な人柄を映すケーキが評判の人気店。定番のシュークリームは卵を強調したカスタードから考えたという。しっかり炊き上げることで濃厚に、主役の卵をじゃましないようバニラビーンズは控えめに。そのクリームを受け止めるべくシュー皮は厚めに仕立てた。「外はアーモンドダイスも香ばしく、中には軟らかな部分があるのが厚めの皮の魅力。たっぷり詰まったクリームはコクがあって食べ応え十分。癒やしの存在です」。
ラ・フェ・ブルー(福岡/福岡)
ザクザク生地に優しい甘味。博多生まれの男前スイーツ
スイスやフランスで洋菓子の基本を学んできた進藤比呂志シェフが、本場の味わいを追求しながら、地元の人に愛されるスイーツを展開。その代表作がシュークリームだ。「ザラメとアーモンドがまぶされた食感ザクザクな生地の中から、ミルキーで優しい甘味のクリームがあふれ出します」。シューで博多っ子の勇ましさを、クリームで内面の優しさを表現。コクのある生クリームを使用し、炊きすぎないことで、濃厚なのに軽い口当たりに仕上げている。