教えてくれた人:山田英季(料理家)
蒸籠を使いこなす。
わざわざ自宅まで来てくれた友達をもてなすために、さっと一品作れたら。試しにネットで検索してみると膨大な数のレシピがヒットするけれど、ビギナーゆえにどれならできそうか判断がつかない。
料理家で、自身も頻繁におもてなしをするという山田英季さんに聞くと、道具、ずばり蒸籠に頼るべきだと。
「さっとこなすために肝心なのは、自分の仕事量を減らすこと。だから調理道具に頼りましょう。なかでも蒸籠はうってつけなんです。
ご想像の通り火にかけて放っておけばおいしく仕上がるし、テーブルに並べるときも蒸籠の下にお皿を敷いて出せば盛り付けに悩むことなく見映えもしますよね。
そのうえ片づけも簡単で、軽く水拭きして置いておいてしっかり乾燥させればOK。反対に、使うときには濡らしてから蒸気に当ててください。小ぶりな21cmサイズが使い勝手がいいですよ」
教えてくれたのは、バラエティに富んだ以下の3品。
「豚バラブロック肉を丸ごと蒸す“韓国ポッサム風 蒸し豚”ですが、本場の韓国では豚はゆでるんです。でも家庭で作るなら旨味が逃げにくい蒸籠蒸しがぴったり。“焼売”にはマッシュルームを。具材のアレンジをすることは自分で料理をする楽しみの一つ。
例えば夏なら、パクチーを入れて爽やかに食べるのもいいですね。“蒸し鍋”はタレが肝。シンプルにポン酢だけでもいいし、塩・黒コショウ・オリーブオイル、あるいは、ユズコショウ・オリーブオイルの組み合わせもぜひ試してほしいですね」。
集まりの場で、それぞれ好みのタレで楽しめるのは、まさにおもてなし向きだ。
「蒸籠は日常的にも使えるアイテムです。僕の経験上、電子レンジで温めるより8倍(!)おいしくなります。より手際よく料理したいなら、調理する順番に気をつけてみてください。
提供順に手をつける人が多いけれど、まずはメインの下準備から。その後にサラダなどの前菜を準備してそのままテーブルに並べるんです。これができるようになれば、一層もてなし料理が楽しくなりますよ」
韓国ポッサム風 蒸し豚
材料(4人分)
豚バラブロック…………350g
塩…………小さじ1と1/2
黒コショウ…………少々
ゴマ油…………小さじ2
サニーレタス…………10枚
シソ…………10枚
キムチ…………適量
カイワレ…………1パック
【サムジャン】
白すりゴマ…………小さじ1
コチュジャン…………小さじ1
味噌…………大さじ1
砂糖…………小さじ1
酢…………小さじ1
*
作り方
(1):豚肉の両面にフォークを数ヵ所刺して、塩、黒コショウ、ゴマ油をすり込み、冷蔵庫で1時間ほど置く。一晩置くと、より味が染み込んでおいしい。
(2):(1)をクッキングペーパーを敷いた蒸籠に並べる。
(3):鍋に湯を沸かして、蒸籠を重ね、30分蒸す。
(4):【サムジャン】の材料をボウルに入れてよく混ぜる。
(5):(3)が蒸し上がったら、豚肉を5mm幅に切って、器に盛り付ける。
(6):付け合わせの野菜とキムチを添える。
マッシュルームとひき肉の焼売
材料(約16個分)
合い挽き肉…………200g
マッシュルーム…………3個
タマネギ…………1/4個
パセリ…………1枝分
焼売の皮…………20枚
片栗粉…………大さじ3
塩…………小さじ1/2
オリーブオイル…………小さじ1
黒コショウ…………少々
レモン…………適量
醤油…………適量
からし…………適量
*
作り方
(1):マッシュルーム、タマネギ、パセリをみじん切りにし(飾り用に少し取っておく)、ボウルに入れて、片栗粉を混ぜる。
(2):(1)に合い挽き肉と、塩、黒コショウ、オリーブオイルを加えて、粘り気が出るまでよく混ぜる。
(3):焼売の皮に(2)をのせて包み、クッキングペーパーを敷いた蒸籠に並べる。
(4):鍋に湯を沸かして、蒸籠を重ね、10分蒸す。
(5):器に盛り付け、パセリで彩る。小皿に醤油とレモン、からしを用意する。
海老とレンコン、
豚肉とクレソンの蒸し鍋
材料(2人分)
【海老とレンコン】
エビ…………6尾
レンコン…………1/2節
白菜…………適量
【豚肉とクレソン】
豚バラスライス…………100g
クレソン…………1束
白菜…………適量
【タレ】
塩…………適量
蒸し汁…………適量
七味唐辛子…………適量
ゴマ油…………適量
*
作り方
(1):レンコンは薄切りにして、酢水につける。白菜は1cm幅に切る。エビは殻の間につまようじを通して、背ワタをとる。
(2):蒸籠の一つに下から白菜、レンコンを敷き、その上にエビを並べる。もう一つの蒸籠に白菜を敷き、豚バラを並べた上にクレソンを置く。
(3):鍋に湯を沸かして、蒸籠を重ね、10分蒸す。
(4):それぞれのお碗に【タレ】の材料を入れて混ぜ、蒸し上がった具材をつけて食べる。