21世紀アジアの美術史を俯瞰する、香港のビジュアル文化ミュージアム〈M +〉

日本に来て来て、あの店、このサービス!今回は香港の気になるサービスを紹介。

photo: Miyuki Kume / text&edit: Hiroko Yabuki

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3つのポイント

  1. 建築デザインを含めアジア美術にフォーカス。
  2. 33の展示室を擁する世界最大級の規模感。
  3. 設計はヘルツォーク&ド・ムーロンなどが担当。

21世紀アジアの美術史を俯瞰する、ビジュアル文化ミュージアム

コロナ禍中の2021年、香港・ヴィクトリア・ハーバーのウォーターフロントに開業した〈M +〉は、世界の美術史のあり方に一石を投じる現代アートミュージアムだ。これまでの西洋中心主義が根強い美術史のあり方に異を唱え、アジアの美術家にフォーカス。

20世紀から21世紀にかけてのビジュアルアート、建築、デザインを俯瞰する“トランスナショナル”なミュージアムを自任する。そのコンセプトは、国やジャンルでカテゴライズせず、作品同士やムーブメントが与えた影響や横の繋がりを重視して展示するスタイルに色濃く表れている。

倉俣史朗が手がけた伝説の寿司店〈きよ友〉を店舗丸ごと買い取り、緻密な工程を経て復元するなど、貴重な商業空間デザインを後世に残す取り組みも。草間彌生やポール・チャンといった注目度の高い作家の大規模なインスタレーションも鑑賞できる。

香港・M +の館内

地下2階地上3階、総面積17,000㎡超えの5フロアに33のギャラリーを擁する規模感も圧倒的だ。設計は表参道のプラダビルで知られるヘルツォーク&ド・ムーロンをはじめとしたグローバルチーム。

アートは生活に根ざしたものであるべきという考えから、1階ホールには南北両方向にエントランスを設置。住民が自由に通り抜け、ハーバー側のデッキでのんびりとくつろぐ姿は日常の風景となった。ミュージアムという公共スペースの新しい可能性を示唆する場としても、学ぶべきことが多い。

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