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季節替わりの選書人が厳選!コレクターが集う、パリの写真集専門店〈リナペルシュ〉

日本に来て来て、あの店、このサービス!今回はパリの気になるサービスを紹介。

photo: Manabu Matsunaga / text: Motoko Kuroki / edit: Hiroko Yabuki

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3つのポイント

1.専門家がテーマに沿って写真集をセレクト。
2.稀少な絶版本やレア本など通も唸る品揃え。
3.併設カフェではモダンな料理と中国茶も。

季節替わりの選書人が厳選!コレクターが集う写真集専門店

今年1月、〈ポンピドゥ・センター〉の程近くに開店した〈L'INAPERÇU〉は、書架もなく、平積みもしない写真集専門店だ。奥の一角はキオスクスタンドのように本の表紙で飾られている。「フォトブックは芸術作品と同じ」という、オーナーのクリスティン・イェの考えが反映されているのだ。

ここでは、キュレーターが立ちテーマに沿って選書をする。初回の選者は、写真評論家のパトリック・レミ。2人目は前衛芸術家のヴァレリー・ベランで、今年9月までは彼女が「女性と写真」の題で選んだ50冊余りが並ぶ。

パリの〈リナペルシュ〉の店内
店奥はキオスク風、右側はセーヌ河畔の古書スタンドを模した什器(じゅうき)。

「プラットフォーム的書店」を掲げコレクターから買い取った絶版本や稀少本に、実験的な作品も積極的に扱う。中国の結婚式を写したたばこ箱サイズの本『Until Death Do Us Part』はその典型。昨年のプレオープン中、偶然訪れた故ウィリアム・クラインが自身の本を手にし、「10年ぶりに実物を見た!」と感動したという逸話も。

隣接するカフェの見どころは、カメラ史へオマージュを捧げたインテリア。ここでサーブされるのは、茶史研究家アルノー・バシュランと共に選りすぐった東洋茶やヴァン・ナチュールだ。食事は華やかなモダンフレンチで、新鮮な季節の野菜が主役。

「キャロット」など、すべてのメニュー名が素材の名前というのも面白い。写真文化への愛に浸りながら五感を満たせる稀有な店は、パリのアート業界人が集うスポットとなっている。

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