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19世紀の工場で意外な食材を?バルセロナでイギリス伝統の燻製を行う〈ルーフトップ・スモークハウス〉

日本に来て来て、あの店、このサービス!今回はバルセロナの気になるサービスを紹介。

photo: Junko Sakai / text: Yuki Nakamori / edit: Hiroko Yabuki

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3つのポイント

1.アンガス牛やウナギなど環境に配慮した燻製商品。
2.建物は1890年築の元セラミックドール工場。
3.バターやオイル、詰め合わせのギフトボックスも。

サステイナブルな燻製専門店

「故郷イギリスの伝統である燻製をバルセロナでも食べたい!」。そんな思いから、住んでいたアパートのルーフトップにワイン樽を置き、燻製やビール造りを始めたバスター・ターナーとカルラ・ロダミランス。そのDIY的なプロジェクトの発展形が、ここ〈ルーフトップ・スモークハウス〉だ。建物は1890年築。ユダヤ系ドイツ人が経営していたセラミック(陶磁器)人形の元工場で、当時のかまどもまだまだ現役。

〈ルーフトップ・スモークハウス〉の煙突
高さ約35mの煙突は街のアイコンだ。

焚き木には母国の伝統に倣いオーク材を使い16時間じっくりと。ショーケースにはシーバスやトラウトといった海鮮から、アンガス牛などのパストラミまで。スモークバターや燻製オリーブオイルのほか、キムチなどの自然発酵食品も人気だ。原材料は地産地消をモットーに、地元カタルーニャ州やスペイン国内からの仕入れがメインだが、ウナギとサーモンは例外。前者はドイツのウナギ保護団体〈ESF〉と提携。後者は環境負荷の低い釣り針で収獲されたアラスカ産サーモンなどを厳選している。

「環境への理念や姿勢に共感できる企業と協力していきたい。でもその一方で、ただ楽しいことをやりたいと思って始めたら、今のスタイルに行き着いたというのも事実なんです」とカルラ。客層は広がりを見せていて、近隣の住民はもちろん、バルセロナ市内の高級ホテルや有名レストランからの発注も増加中。注目度はうなぎ上り。この地に燻製文化が根づくきっかけとなりそうだ。

オーナーのカルラ(左)とドイツ産のウナギを持つバスター
オーナーのカルラ(左)とドイツ産のウナギを持つバスター(右)。

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