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カメハメハ大王も飲んでいた絶品ラム酒。ハワイ〈コハナ・ディスティラーズ〉

日本に来て来て、あの店、このサービス!今回はハワイの気になるサービスを紹介。

photo: Hisashi Uchida / text&edit: Hiroko Yabuki / special thanks: JAL, Hilton Grand Vacations, Hawaii Tourism Japan

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3つのポイント

1.ハワイ原産のサトウキビを研究し、自家栽培。
2.収穫からボトリングまで全工程を自社工場で。
3.試飲バー併設のショップあり。関連商品も販売。

自家栽培のハワイ原産サトウキビを使った
絶品ラム酒

ハワイのアルコールというとクラフトビールを思い浮かべるかもしれない。だがビールと同じくらい歴史が古いのがラム酒で、あのカメハメハ大王も好んで飲んだという記録も残っているほど。

原料のサトウキビはポリネシア人のハワイ移住とともに持ち込まれた“カヌープラント”の一つで、古くは求愛の儀式で使われたというユニークな歴史を持つ。19世紀から20世紀にかけてはプランテーションで大量生産されたが、その後衰退。多くの品種が姿を消した。そこで立ち上がったのがIT畑出身のロバート・ドーソンだ。

ハワイ〈Kō Hana Rum〉のラム酒
ラム酒は375㎖30ドルから。カカオニブと蜂蜜を加え寝かせたリキュールラム酒「KOKOLEKA」(右端、750㎖40ドル)、コア材の樽で熟成させた「KOA」(右から3番目、375㎖150ドル)など。ボトルは香水瓶の工場に特注した。

「ハワイ産のサトウキビ復活」を掲げ、専門家の知恵を借り多様な品種の再発見・栽培に成功。2011年にそれらを使ったラム酒の蒸留所を設立した。全世界の総流通量のわずか2%を占めるといわれる、伝統的なアグリコール製法を採用し、サトウキビを搾ったジュースに糖蜜ではなくイースト菌を加え発酵、蒸留。とことんシンプルな原材料ながら、品種と熟成樽の素材、寝かせる期間により様々な風味に仕上がるのだから面白い。

2015年にはブランド名を〈Kō Hana Rum〉に改め、現在は34品種のサトウキビを栽培する。1950年代の歴史的建造物を改装したバー併設のショップではラム酒の樽で熟成させた蜂蜜やチョコレートも販売するなど、製品の幅は年々拡大。知られざるハワイの歴史を汲んだ、一筋縄ではいかないラム酒。日本への正式上陸が待たれる。

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