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台湾の夜を刺激するカフェ併設デザイン書店 〈ツォンベンシューディエン〉

日本に来て来て、あの店、このサービス! 今回は台湾の気になるサービスを紹介。

photo: Wakako Gomi / text: Mari Katakura / edit: Hiroko Yabuki

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3つのポイント

1.人気デザイナーの2人が厳選した200冊を収蔵
2.カフェでは著名ベーカリーのトーストなど軽食も
3.シルバーを基調とした空間は宇宙船をイメージ

タイポグラフィのレア本も見つかる!

近年の台湾は、他の先進諸国同様出版不況の中にあるが、個人経営の書店やブックカフェは存在感を増している。2022年4月末にオープンした〈重本書店〉もその一つ。著名グラフィックデザイナーの葉忠宣(イエ・ツォンイー)とタイポグラフィックデザイナーの張軒豪(ツァン・シュエンハオ)が主宰し、若者たちの間で話題を集めている。

「宇宙に持っていきたい本」を基準にグラフィックデザインとタイポグラフィに関する書籍をセレクト。オランダの近現代の書体デザインをまとめた書籍など、歴史的に意義のある稀少な本が並ぶ。欧米の書籍が中心だが、葉が手がけた日本語書籍の中国語版も。併設されたカフェのカウンターには、ローカルのデザイナーやアーティストが選んだ9冊の愛読書が月替わりで並ぶ。奥の個室は貸し切りスペースで、1964年の東京オリンピックの公式記念品ブックなど、レア本の宝庫だ。

宇宙船をイメージしたという店内には、トタン板を用いたテーブルや、〈Ingo Maurer〉のアルミ製LEDライトが混在。道路の縁石や街灯など、暮らしの中にある素材も取り入れた。ドリンクや軽食も好評で、人気ベーカリー〈陳耀訓・麵包埠(ツェンヤオシュン・ミエンパオプー)〉の特製トーストが味わえる。

書店としては珍しく夜遅くまで営業。その理由を2人に問うと「デザイナーは夜の方がインスピレーションが湧くから」。時間を気にせずにデザインを語り合える場。今、街の活性化にはこんな空間が必要なのかもしれない。

重本書店_店内
手前に書店、その奥にカフェ。天井の一部はアルミ箔で覆われている。

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