3つのポイント
1.1934年創業のテキスタイル会社をリブランド
2.ウェアから小物までユニセックスで揃う
3.ゼロウェイストのコラボレーションラインも
老舗のマインドを引き継ぐ
イスラエル発のライフスタイルブランド
イスラエルのクロージングブランドと聞くと、どこかエキゾティックなイメージを思い描くかもしれない。だがテル・アビブを拠点とする〈ATA〉は、いい意味でその既成概念を壊してくれる。
1934年にユダヤ系実業家エーリッヒ・モーラーによりテキスタイルメーカーとして創業。労働者の作業服やイギリス軍のユニフォームの製造販売で事業を拡大したが、1985年にその歴史に幕を下ろす。同ブランドが再び脚光を浴びたのは2016年のこと。エレツ・イスラエル博物館で開かれた回顧展をきっかけに、実業家のシャハル・セガルとスタイリストのヤエル・シュンベイガーがリブランドし、新生〈ATA〉として生まれ変わった。
「目指すのはミニマルかつ機能性の高いデイリー服」と、デザイン面を監修するヤエル。ロゴTシャツやトートバッグをはじめ、ポケットをiPhoneサイズに変更したカーゴパンツなど、かつての主力商品である作業服をアップデートしたコレクションは、たちまちブレイク。今や地元のファッション好きの間では、知らぬ人はいないほどだ。
製造面では国内をメインに信頼できるファクトリーと協働。グアテマラの〈Iris Textiles〉によるゼロウェイストブランド〈THE NEW DENIM PROJECT〉とのコラボレーションなど、環境に配慮したモノ作りは、まさに2020年代的。“ファスト”一辺倒から人々の意識が脱却しつつある今、日本でも大きな支持を得られるはずだ。