3つのポイント
1.ビスポーク商品は併設工房でハンドメイド。
2.ユニセックスのレディ・トゥ・ウェアも展開。
3.家具や小物もオーダーメイドで販売する。
全工程を手作業で
ユニセックスなテーラー
週末のマーケットで知られるポートベロー・ロードに佇む〈スペシャーレ〉は、賑やかな通りとは対照的な、ギャラリーのような趣のテーラーだ。共同オーナーのジョージ・マーシュとバート・ハミルトン・ステュバーは元同僚。
共にロンドンの仕立屋で経験を積んだ後、イタリア各地でテーラリングを学び、2019年にブランドを設立した。英国のテーラーといえば厳格なイメージがつきまとうが、彼らがこだわるのは仕事着ではなく、普段の生活で着られるリアルクローズとしてのスーツ。
肩周りに余裕を持たせたジャケットやシャツは、性別を問わずにオーダーすることができる。年間を通して人気だというツイードなど、イタリアや英国内で集めたヴィンテージ生地を豊富に揃え、全工程を店内の工房で手作業。デザインはもちろん、生産過程におけるその透明性の高さが支持されている。
「英国の仕立て文化は衰退の一途を辿るといわれていましたが、サステイナブルの観点から考えると無駄が少なく、非常に現代的。将来に伝えるべき重要なカルチャーです」と熱く語る2人。
ユニセックスのレディ・トゥ・ウェアラインも展開していて、ニットはウェールズの工房で昔ながらのハンドフレーム(手編み機)で仕上げるなど、品質にこだわり抜く。さらに服だけでなく家具もオールハンドメイドで製作。性別やジャンルを超えたモノ作りは、まさに新しい時代のテーラーといえるだろう。