3つのポイント
1.若手を中心に気鋭のブランド250余りを扱う。
2.小規模ビジネスが集う東ロンドンのビルが拠点。
3.取引先とも、創業者同士も対等な関係を構築。
着想源は「それ、どこの?」。クリエイターが集うファッションハブ
東ロンドンを拠点とする〈APOC〉は、アパレルの職場の上司と部下だったJules VollebergとYing Suenが始めたファッションレーベルだ。
きっかけは「それ、どこで買える?」という会話。「この街で暮らしていると、誰かに会った時に素敵な服を着ていて、それが彼らの友達のブランドだったりする。その横の繫がりが着想源になったんです」とジュールズ。5年前のローンチ以来取り扱いブランドは徐々に増え続け、今や250を超える。オンラインをメインにしつつ、地元ロンドンやベルリン、パリなどでポップアップを開いてきたが今年7月、小規模ビジネスが集うロンドンフィールズのビル内に、念願のショップをオープンした。

個性的なレザーグッズを展開するブルックリンブランド〈Greco〉に、英国を拠点とする〈MQT〉のシルバージュエリー、インの実妹によるハンドメイドのキャンドル。好奇心を刺激するアイテムの数々は、「普通以上のものを好む」地元のクリエイティブを魅了している。
2人が大切にしているのは対等な関係性。作り手との対話に重きを置き、リスクを押しつけず、売れ残ったら返品なんてもってのほか。そして彼ら自身も不要な衝突を避けるためビジネス創業者のためのセラピーを受け、健全な信頼関係を築く努力を惜しまない。今度の目標は「デザイナーの成長を支えるエコシステムを築くこと」。東京でのポップアップも視野に入れているそうだ。



