3つのポイント
1.ヒゲブームを支える昔日の技術を施す理容室。
2.施術後は隠し扉奥のカクテルバーでリラックス。
3.屋内禁煙のパリでシガー用喫煙ルームを備える。
パリの温故知新なラグジュアリーはバーバー+カクテル+シガー

パリに昔ながらのグルーミングを施すバーバーが、やおら復活したのはここ10年。一見無造作な囲みヒゲをスタイリッシュにたしなむ若いパリジャンの急増と重なる。
レストランや食材店の奥から隠し扉を経てアクセスするバーの登場が話題となり、人気を博した時期でもある。世界の葉巻を集めたシガールーム併設のバーを擁する理髪店〈ジェントルメン1919〉は、まさにその流れを汲む店だ。
シャンゼリゼ裏の通りからはレトロな趣の理髪店が見えるのみ。だが、その奥の扉の先に、現代の紳士・淑女の憩いの場が広がる。ヒゲや理髪の施術後の楽しみとして訪れる顧客も多いが、バーだけの利用も可能だ。
「若い女性だけの集まりや、シャンゼリゼのレストランや劇場の前後にバーに訪れる人も多いですよ」と、バーマンで創業者のマキシム・シモノー。パラスホテル(5ツ星超えの最高級ホテル)や有名レストランのキャリアの後、ゆったり落ち着く空間を作りたかったのだと語る。
髪とヒゲの手入れに訪れていた男性は「静けさと丁寧な施術がいい。その後のバータイムもね」と笑う。まるで19世紀の英国会員制クラブのような雰囲気でありながら、誰もが利用できるオープン空間。
その絶妙なバランスは、理髪師とバーマンの技術の高さがあってこそ。人々のムードや要望に応じた異なるサービスの混合が生む、現代の新たなラグジュアリーの秘訣が詰まっている。





