3つのポイント
1.文化省による24時間管理で安全に利用可能。
2.施設内は自由にグラフィティを描いてOK。
3.スケート大会や文化イベントを頻繁に開催。
テーマパーク跡地が、ユースの表現をサポートする文化公園に!

アメリカ大陸最大級の都市森林公園・チャプルテペックの一角で、2007年に閉業したウォーターパークの廃墟は、違法行為が横行する危険な場所であった。だが一方で、地元の若者たちがグラフィティを描いたり、スケートを楽しんだりする表現の場にもなっていた。そのポテンシャルを生かし、23年にメキシコ政府がストリートカルチャーのための公共公園へと改修したのが〈パルクル〉だ。
かつての大小プールは公式競技が可能なスケートパークに。イルカのショー会場は観覧席を生かしたライブステージとなった。園内はグラフィティフレンドリー。スケートのほかパルクール、BMX、ラペリング、エアリアルダンスの練習エリアも備え、子供向けを含めたワークショップを開催。競技会やバザール、コンサートなどのイベントも2週間ごとに企画するなど、家族連れを含めた幅広い年齢層が利用できる場所に生まれ変わった。
プロジェクト始動から関わるプログラム担当のルイス・メラ・アルミホは語る。「国民の税金により運営する公共公園の中には、企業のイベントへの有料貸し出しの際に汚職が起きたこともありましたが、ここはそれとは無縁。情熱や夢、DIY精神を持っていれば誰でもイベント企画を持ち込めます。入場料はもちろん無料です」。〈パルクル〉は忘れ去られていた過去の遺産を、行政主導でコミュニティのために蘇らせた成功例なのだ。
