3つのポイント
1.テキスタイルに特化したコミュニティの場。
2.染色、紡績など各種機材のレンタルも可能。
3.コワーキングのほかワークショップも展開。
専門家が集結し、情報発信を行うテキスタイル特化のラボ
バウハウスの教育理念に基づくカリキュラムで知られるベルリン・ヴァイセンゼー美術大学で、繊維表面デザインを専攻したサラ・ディアスとエッシー・グロム。2人がテキスタイルを軸に置いた共同スペース〈ベルリン・テキスタイル・コープ(BTC)〉を立ち上げるまで、国内でそういった場は皆無だった。
我々の生活に欠かせないテキスタイルだが、ことドイツではその業界は個人の活動に委ねられている部分が大きいのだ。そこで愛好家が集結し、情報共有できる場が必要と感じたことが始まりとなった。
BTCのシンプルな定義は「テキスタイルマニアのためのオープンスペース」。会員の大半がテキスタイル専門家で、プロトタイプ(原型)作りの場として機能している。
3Dプリンターをはじめラグ作りのタフティング機、糸作りのための組み紐機、そして染めやスクリーンプリントのウェットラボなど、機材やスペースのレンタルも可能。それらを使ったワークショップも開催する。
デジタル機器はより複雑な作業を可能にし、かつ手作業と融合できる。現代ではすべてを工場で生産するのが一般的だが、2人が目指すのは「世界共通の文化であるテキスタイルを再び人々の日常に取り戻し、未来につなげる」こと。
BTCは最新テクノロジーを導入しつつも、人類最古の技術の一つであるテキスタイルを次世代に伝承すべく奮闘する、頼もしい存在だ。
