3つのポイント
1.地元に縁のあるアーティスト10組の作品を展示。
2.視覚や聴覚で楽しめる体験型ミュージアム。
3.VRなど最新技術で没入できるアートも多数。
カタルーニャ文化に触れるポップな現代美術館がオープン
世界の一流ブランドの路面店が立ち並ぶバルセロナのグラシア通りに今年5月、ひときわ異彩を放つスポットが誕生した。その名も〈White Rabbit The Off-Museum of Barcelona〉。
オーナーはこの地で前身となるショッピングビルを運営した実業家一家の孫にあたる人物。「バルセロナを訪れる人はたくさんいるのに、その文化に触れる機会がまだまだ少ない」という憂いが原動力となった。
バルセロナに縁のある10組のアーティストを選抜し、それぞれが一つのコーナーを受け持つユニークなスタイルを採用。作品はどれもカタルーニャ地方の歴史や民話、祭りなどの民俗行事からインスパイアされている。
眺めるだけの従来の美術館とは一線を画し、VRやデジタルアートなど最新技術も駆使。来場者は実際に触ったり、踊ったりとアートに没入して楽しめるのが特徴だ。
参加アーティストは多国籍で、1つ目の展示室は当地在住の日本人アーティスト・浜田美南(みな)が担当している。国内外で壁画を描いたことで知られる浜田は、カタルーニャ地方で200年続く伝統行事・人間の塔など、地元の祭りをパステルカラーで表現。民話に登場するドラゴンもモチーフに取り入れ、ハッピーな世界観を作り上げた。
旅行者の目が肥え、一般的な観光地の先を求める層が拡大している昨今。歴史や文化を気軽に、フィジカルに学べる美術館が日本にもできたら話題を集めそうだ。