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伝説が遊具に!先住民族の子供たちとデザインしたカナダ・スコーミッシュの公園

日本に来て来て、あの店、このサービス!今回は、伝説が遊具に!先住民族の子供たちとデザインした公園を紹介。

photo: Kai Jacobson / text: Hatsuki Matsui / edit: Hiroko Yabuki

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3つのポイント

1.起業家や若者が集まる“カナダのポートランド”。
2.先住民族、芸術家、地元のデベロッパーが協働。
3.地元の伝説+子供たちのアイデアで遊具を製作。

伝説が遊具に!先住民族の子供たちとデザインした公園

近年カナダでは先住民族への配慮が当然視されており、土地開発において彼らの協力は欠かせない。その好例がブリティッシュコロンビア州のスコーミッシュだ。

バンクーバーとウィスラーの間に位置する人口2.6万人ほどのこの町は、昨今若い芸術家や起業家が集まり、年間起業数も2010年から10年間で2.7倍に急成長。カナダ版シリコンバレーやポートランドと称される一方で、3000年以上の長きにわたりこの地を守り続ける民族、スコーミッシュの本拠地でもある。

今年8月、地元デべロッパー〈Matthews West〉が主導する地域開発「OCEANFRONT SQUAMISH」の一環としてオープンした公園〈Sp'akw'us Feather Park〉は、彼らの文化をユニークな形で取り入れたことで話題を呼んでいる。

プレーグラウンドはスコーミッシュの子供たちがアイデアを出し合い、民族に伝わる伝説を基にデザインされた。例えば、滑り台はわがままな子供を食べる人食い女“Kalkalith”から逃げる伝説がモチーフ。平均台は蛇の力を手にした男が怒りに任せて町を壊滅させたという双頭の蛇に基づき作られるなど、一つ一つの遊具にストーリーがある。

クッション性の高いサーモン形の飛び石が泳ぐ低年齢用の遊具や、太鼓をベースとした伝統音楽を体験できるエリアも設置され、思わず大興奮。

ローカルの伝統を守るために必要なものは何か?そんな問いに無邪気な遊び心で答えているかのようだ。

「風の母」「聖なる水の人々」を意味するスコーミッシュの人口は約3,900人。公園の背後には世界最大級の花崗岩の一枚岩「Stawamus Chief」が。

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