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カンヌからも程近い、南仏ムージャンに現れた革新的シネマ〈ŌMA CINEMA〉

日本に来て来て、あの店、このサービス!今回は南仏ムージャンに現れたまるで宇宙船のような革新的シネマを紹介。

text: Motoko Kuroki / edit: Hiroko Yabuki

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3つのポイント

1.円形バルコニーを連ね全席ベストポジションに。
2.映画館や劇場専門のピエール・シカンが設計。
3.座席へ直接サーブしに来てくれるバーを併設。

カンヌからも程近い、南仏ムージャンに現れた革新的シネマ

丸いポッドが並んで浮かぶさまは、SF感満載。ここは宇宙船⁉ではなく映画館。

今年4月に開業した〈オーマ シネマ〉は、シネフィルの理想を具現化した場所だ。つまり「どの席からもスクリーンが観やすい上映室」。設計は自身も映画ファンの建築家ピエール・シカン。これまでパリのシネコン〈UGC レ・アール〉や〈ラ・コリーヌ国立劇場〉などの文化施設を手がけてきた。

運営を息子ニコラスがともに担う。「ここでは、通常に比べ床の傾斜を緩めています。その代わり生まれた上部空間にバルコニーを設置。部屋を縦に使うことで、最前列も画面に近すぎず、最後列も画面から遠すぎない。バルコニー席では前の人を気にすることなく作品世界に没入できます」とニコラス。

OMA CINEMAの座席
1階席は13.5ユーロ、バルコニー席は15ユーロ。家族や友人で借り切ることも可能。この夏は『スパイダーマン』シリーズを上映。7月にはピエール・ニネ主演『モンテ・クリスト伯』(2024年)などを上映。9月はオペラ中継を予定しているという。

ツアーは4時間というなかなかの長丁場。その内容は、ダンスのステップを習って踊り、コアなレコード店を巡り、識者による音楽の歴史や逸話を聴き、シメに音楽スタジオにて、音楽家の指導の下、リズムを学びながらジャムセッションするというもの。ほかにはない音楽体験や、参加者同士や主催者側との間の新たな交流が好評だ。

最近はメキシコ国内に限らず、国外の音楽ツアーのコンサルタントも行っているという2人。このツアーに可能性を見出しているそうで、「日本も音楽が豊かな国だし、何か一緒にやりたい!」。今から待ちきれない。

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