3つのポイント
1.元サーカス車両を宿泊施設にアップサイクル。
2.のんびりとしたエーロ島の雰囲気を満喫できる。
3.地元産食材の料理や動物との触れ合いも人気。
サーカス車がホテルに⁉移住者が造った一棟貸しの宿
コペンハーゲンから電車とフェリーを乗り継ぎ4時間。バルト海に浮かぶ人口約6,000人の小さな島、エーロ島はデンマークの夏のリゾート地の一つ。だが近年ここに移住するクリエイターが増えている。サーカス車を改装したユニークなホテルのオーナー、デヴィッド・ギャラルフ・ブランデンホフもその一人。
本職はフリーランスのPRで、月1回はコペンハーゲンに出張し企業の広報プロジェクトを手がける。「両親がエーロ島に別荘を所有していたので、幼い頃から馴染みがあったんです。島の小さなコミュニティが心地よく、移住を夢見ていました。そしてパンデミックが始まった2020年、ここで家族と過ごし絆が深まったことをきっかけに、移り住むことを決断したんです」
島で暮らすうち豊かな自然をシェアできないかと考えるようになり、思い浮かんだのがサーカス車を使った宿のアイデアだ。ちょうどデンマークのサーカス団で使われていた旧東独製の車両が売りに出ていたのを、団員である友人のツテで知り、購入。3年後、バスルーム以外はドアのない一棟貸しの宿として生まれ変わらせた。
窓からのパノラマの景色、猫からヤギまで11匹の動物と触れ合える庭、島産食材とサワードウブレッドの朝食。素朴だが日常を忘れリラックスできると、国外からの宿泊客にも好評だ。今後はアーティスト・イン・レジデンスなど、休暇以外の使い方を提案したいと意気込む。