3つのポイント
1.全長350mにわたる無料の公共スペース。
2.最新技術に基づく無料の没入型アトラクション。
3.五感に働きかける6つの庭園から構成される。
見て、嗅いで!リゾート島・セントーサの「体感型」遊歩道
独立以来、政府主導で都市開発を進めるシンガポール。2019年には南部のリゾート島・セントーサ島とブラニ島を中心とした開発計画「セントーサ・ブラニ・マスタープラン」を発表。そして今年3月、第1段階が完成した。セントーサ島を縦断する全長350mの遊歩道〈Sentosa Sensoryscape〉だ。
セントーサ開発公社がリード役となり、各国メンバーで編成される〈Serie + Multiply〉が建築を、日本のデジタルテクノロジー企業〈1‒10〉が光のアートを担当。
3社協業で生まれたランドマークの見どころは、五感を刺激する“庭園”だ。同島の植生を含む植物の香りを満たした〈Scented Sphere〉や穏やかな音色が流れる〈Symphony Streams〉など6つの庭園が嗅覚や聴覚にも働きかける。
夜には各庭園にデジタルライトアートが展開され、専用アプリ「ImagiNite」を使ったAR体験も可能。「シンガポールの人は最先端技術を導入した環境で暮らす一方、自然を渇望しているように感じます。現代の夜、“光”を灯して自然と対峙する時、原始から変わらぬ感覚が呼び覚まされるのでは?と思い至り、第六感を呼び起こすような、フィジカルとデジタルが同時体験できる作品を考案しました」と〈1‒10〉の三木慶悟氏。
公共施設であり、無料。その気軽さも手伝い早くも賑わいを見せる。遊興施設に観光客が集うセントーサ島だが、散歩スポットとしてローカル間でも火がつきそうだ。